白蛇を助けたところ、黒竜の呪いを受けて余命10年になってしまった櫻花。
そんな櫻花の呪いを解くためにやってきた白蛇の肖月。
巷で起きる事件や怪異に立ち向かっていく二人ですが櫻花の過去には深い闇があって──。
あまり中華ファンタジーの元ネタとなる神話や寓話は詳しくないのですが、天界や仙人、花や泉の描写が美しく作品全体に幻想的な雰囲気がただよっています。
主人公、櫻花は優しく天然。これは愛さずにはいられない!という魅力があります。
そんな櫻花が好きな白蛇の肖月は一途でちょっとあざとくかわいい。
二人のやりとりを読んでいるだけで楽しいですが、事件は思わぬ方向に。
個性豊かな登場人物たちが複数出てきますが、作者様のキャラと描写がしっかりしているので、すぐ覚えられました。
そして、その登場人物たちがひとりひとり物語に重要であることもしっかり描かれています。
ラストの回収、お見事!
十万字強で綺麗にまとまっていてとても面白いです!!
物語がしっかりとしたいちゃいちゃ中華BLが好きな方、ぜひおすすめです!
【あらすじ】
黒竜に踏み潰されそうになっていた白蛇を助けた櫻花。ところが、黒竜の怒りを買い、法力が半分になった上、余命十年の呪いをかけられてしまう。
呪いから逃れるには、天仙になるか、もしくは黒竜に謝るしかない。
謝る気の無い櫻花は、仕方なく地道に1200の徳を積んで天仙になることを目指すものの、実はそれもやや乗り気ではない。それは、彼の過去に理由があって……?
そんな櫻花の前に、ある時白髪の青年、肖月が現れる。
彼は、黒竜に呪いを掛けられるきっかけになった白蛇であると告げ、強引に契約を結ぶ。
一人の道行きは二人に。
果たして、櫻花は天仙になり、余命十年の呪いを断ち切れるのか……?
本編全44話。神仙と彼らを取り巻く存在たちが織りなす仙侠BL小説です。
【おすすめポイント】
(1)色々な意味で人間臭くも魅力的な神様や仙人たち!
この物語には、主人公にして地仙である櫻花を始め、様々な神や仙、竜などの人外の存在が沢山登場してきます。ある意味超越した存在という傲慢さ故に却って包み隠されぬ感情と、それ故に巻き起こる悲劇。交錯する思い……その心理描写が秀逸です。中国の神話や伝奇などに取材したモチーフも随所に散りばめつつオリジナリティーを加えながら深みのある物語が構築されています。中華に限らず、ファンタジーのお好きな方は勿論、神怪好きな方にも“刺さる”はず!
(2)あらすじで気になったらまずはチェック!
「BL」のタグが付いておりますので、「BLはちょっと……」という方もいるかもしれません。が、他の方も言及されている通り、濃厚な描写よりは、淡くしっとりとした描写が多いので、抵抗なく読めるかと。勿論、お好きな方はお好きな方で、想像の翼を広げて存分に楽しめます。登場人物それぞれの魅力があり、またそれぞれの関係性も、有り体に言いますと、大変「美味しい」です。笑 登場人物同士の関係性に焦点を当てながら読むのも楽しいです。
そんな、多様な読み方を可能にする懐の広さと深さがあります!
(3)圧倒的満足感!
本編およそ10万字の本作。
映像美極まる美しい文章と巧みな構成故に、字数の割にさくっと読めてしまうのですが、読み進めながら、キュンキュンしたり、ほのぼのしたり、主人公に降り掛かる苦難にハラハラしたり、しんみりしたり――と、多彩に展開されていく物語に感情を揺さぶられながら、その世界にどっぷり浸かってしまっている事に気付くことでしょう。
一気読み、推奨です!
【こんな方に】
☑中華ファンタジーという言葉に惹かれる方
☑シリアスもキュンキュンも楽しみたい方(*´艸`)
☑美しい情景描写とともに物語世界を堪能したい方
情景描写の美しい中華ファンタジー。
BL要素はとても爽やかですし、主人公の櫻花が優しくたおやかな雰囲気なので、BLを読み慣れていなくても全く問題なく楽しめると思います!
櫻花はほんわかしているけれど、弱きを助け、強きをくじく正義心の強い人物。
彼に助けられた白蛇が人の姿になって追いかけてきて、ひっついてるのもかわいい!
しかし櫻花は白蛇を助けた際、偏屈な黒竜に呪いをかけられてしまった。
山水画の世界を見ているかのような癒される風景に、愛があふれるやり取り。
でもほっこりするばかりではありません。
櫻花の過去には秘密があるようで・・・?
櫻花が黒竜にかけられた呪いは解けるのか?
主役二人の関係はどこへ向かうのか?
ぜひ読んでみてください!
ひょんなことから黒竜に踏みつぶされそうになっていた白蛇を助けた主人公、櫻花。
彼はそのことで黒竜の怒りを買い、『余命十年』の呪いをかけられてしまいます。
もう冒頭の時点で『大丈夫なのか?』と、ちょい心配になりますが、我々の心配をよそに当の櫻花はけろっとしてます。
黒竜も黒竜で『謝ったら許してやる』って言うくらいですから、根は悪い奴ではないんですけど、櫻花が『謝りません』の一点張りで、結果、仲がこじれてしまいます( ̄∇ ̄;)
ただ、その頑固は優しさからくるものであって、単に間違ってる相手に屈しないというだけの話。
非常にまっすぐで好感の持てる櫻花に、助けた白蛇も化身となり、恩返しに来るほど。どれだけ優しいかがよく分かりますね(*´ω`*)
私自身、BL要素には疎い方ですが、肖月のまっすぐでひたむきな想いは、心動かされるものがあります。
もう半分以上読んでいるので、ボリュームもちょうどいいといった感じ♪
こういったジャンルに触れたことがないという方にも、初めて手に取るのにオススメの作品となっております。
皆様も読んでみてはいかがでしょう?
どこの世界でも、自分より位が上の相手にでも臆さずに自分を貫き、弱いものを助ける人物というのは好感がもてます。
主人公の櫻花がまさにそういう人物であるのは、タイトルにもあるように、呪いを受けたとしても謝らない、という行動からも明らかで、
しかも、位の低い地仙かと思いきや、元は天仙であり、天帝からも気にいられている、という人物でもあります。
展開も、白蛇の化身との美しい恋模様や迫り来る苦難を持ち前の優しさ明るさと運の良さで乗り越える痛快な物語でした。
BL要素は、櫻花の性格や言葉遣いから、女性だと思ってしまっても不自然ではなく、それと思って想像を逞しくしなければ、BL好きではない人でもあまり気にならずに読めるかとおもいます。
中国制作の実写やアニメのブームもあって、これから注目されること間違いなしの仙侠小説といわれるジャンルの中華ファンタジーです。
天上界の神さまや仙人がたくさん登場します。髪や瞳の色など作者さまが丁寧に描かれた神さまや仙人の、それぞれの姿かたちや所作がそれはそれは美しい。赤い血の流れる凄惨な場面もありますが、それもまた美しい。物語りの先を知りたいと急ぐ気持ちを抑えて、色彩溢れる美しい世界観を想像し楽しむのも仙侠小説の1つの味わい方だろうと思わされる作品です。
主人公櫻花(インホア)の美しい容姿と少々天然がかった優しい性格に、天帝も含めた誰もが心惹かれ手助けしたくなるようです。たぶんそれはきっと読者もです。彼といっしょに冒険し謎を解き闘い、そして美しいハッピーエンドを迎えてください。
白蛇を助けたせいで、余命十年の呪いをかけられてしまう主人公の櫻花。
そんな彼が死を逃れるには天仙になるか、黒竜に謝るしかないのですが……
小説タグにある『仙侠』というのは、中国のWEB小説で人気の仙人だったり仙人を目指す人が登場する中華ファンタジーの一種です。
この作品も、そんな仙侠小説の一つ。
まだまだ日本ではあまり見かけないレアなジャンルの小説なので、新しい世界観のファンタジーが読みたいという方におススメ☆
功徳を積んで天仙になるなど、仙人譚ならではの設定がたくさん詰まってます♪
途中悲しいことも起きますが、そういうところも中国のBL仙侠モノでは、あると喜ばれるポイント!
辛いことが起こるからこそ、恋人たちのきずなが深まるのです!
必要要素もしっかりと抑えられていて、6万字程度と比較的短時間で読み切れるボリューム。初めて読む仙侠ファンタジーとしてうってつけです♪