第2話

 50cmくらいの小さなドラゴンが街を歩いていると、小さなキノコを見つけた。


「なんだこれ?」

 ドラゴンは興味本位で食べてみると、ドラゴンの体はみるみる大きくなり、あっという間に50mを超える巨大なドラゴンに変身した!


「え、何!?ボクの体が大きくなっちゃった!」

 突然の巨大化に驚くも、どうやら毒キノコではなかったようだ。やがて落ち着きを取り戻すと、不敵に笑い始めた。


「これは…散々ボクをチビと言い続けた人間に復讐するチャンスだ!」

 そして、そのまま街を蹂躙しながら巨大化を続けるドラゴン。

「はっはっは!このままこの国を壊してやる!」


 そんなことを言いながら、暴れまわるドラゴン。その時、遠くから軍隊が走ってくる音が聞こえてきた。

「ドラゴン発見!これより討伐を開始する!」

 その声と共に、大砲の弾が放たれドラゴンの体に命中した。しかし、ドラゴンが怯む様子はない。

「そんな豆鉄砲、まったく効かないね!」


 ドラゴンは兵隊の一人を爪の先でつまみ、自分の目の前まで持ち上げてみせた。

「うわあああぁ!!」

 恐怖のあまり叫び声を上げる兵隊。ドラゴンにはその様子が面白いようで、ケラケラと笑っている。


 そしてドラゴンは、そばに建っている建物に向かって火炎ブレスをしてみせた。


 ゴオオォォ!!


 すると建物は一瞬にして燃え上がり、黒焦げになってしまった。それを見た兵隊たちは驚きの声を上げた。

「ひいいぃっ!!なんて威力だ……」


「はっはっは!人間なんか束になってかかってきたところで、勝てるわけないじゃないか!ほらよ!」

 そう言うと、兵隊の群れに火炎ブレスを吐きかけた。


「ぎゃあああ!!!」

「助けてくれー!!」

 炎に包まれ、逃げ惑う兵士たち。その様子を見て満足そうな表情を浮かべているドラゴン。戦車やヘリコプターにも火炎ブレスをお見舞いし、ドロドロに溶かしてしまった。もはやこの街では、まともに戦える人間は残っていないようであった。


「さあ、次は何で遊ぼうかな」

 次の標的を探し始めるドラゴン。そこへ、空の彼方から戦闘機が現れた。ドラゴンはその姿を見てニヤリと笑うと、大きく息を吸い込んだ。そして口から勢いよく火炎放射を放った。戦闘機はたちまちのうちに火だるまになり、墜落してしまった。


 そして、

「さーて、あとはキミだけになったね」

 ドラゴンは摘んでいた兵隊をギロッと睨んで言った。

「ごめんなさい!もう悪いことはしないから許して下さい!」

 泣きじゃくりながら命乞いをする兵隊。ドラゴンにはその様子を楽しそうに見ていた。


「そうだなぁ……。じゃあ、これに耐えることができたら許してあげるよ」

 ドラゴンはそう言うと口をぐわっと大きく開け、凄まじい勢いで息を吸い込み始めた。すると、喉の奥から炎が溢れ出してきた。


 ゴゴゴゴゴゴゴ!!


「うわああぁぁ!!」


 兵士は必死にもがくが、ドラゴンに掴まれたまま動けない。その間にもどんどん炎は大きくなっていく。そしてとうとう口の中に収まりきらなくなったのか、炎が辺りに飛び散り始めてきた。

「ほらしっかり、まだまだ大きくなるよー」


 やがて、ドラゴンの口に収まるギリギリの大きさにまで大きくなった時、ドラゴンはそれを吐き出した!


 ドガアアアアァァァァァーーーーーーーン!!


 ドラゴンは口から巨大な火炎放射を放った。それはまるで火山が爆発したかのような光景だった。兵隊はおろか、街までも跡形もなく消え去り、巨大なクレーターだけが残った。

「ふぅ〜すっきりした〜」

 ドラゴンはとても満足そうに言った。


「それにしても、凄い威力だなぁ。もっと練習すれば世界だって滅ぼせるかも……」

 そんな恐ろしいことを考えながら、ドラゴンは灰と化した国を後にした。

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巨大化ドラゴン ちゃむ @BulkieCharge

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