日本語の美の、ひとつの優れた型のひとつ

十代のある時期。梶井基次郎の文庫本を毎日毎日読んでいたものでした。
何十回、いや、何百回と繰りかえし繰りかえし読みかえしたものでした。
どれだけ影響をうけているのか、自分では計れませんが、その気息を呑み込み、取り込もうと意識的に読んでいたものでした。
数年ぶりに読み。
檸檬は、日記や、詩、習作でそのモチーフは繰りかえし書かれているんですね。
数年ぶりに読み、その理由をぼんやり考えてみて、これといって解答はおもいつきませんが。
ただ、おもうのは、梶井基次郎のある時期のおもい、状態、もろもろを凝縮して、形づくりたかったのだろうなと。

本作に惹かれるものを感じられた方は、他の作品を読まれてはいかがでしょうか。
日本語の美の、ひとつの優れた型のひとつが、ここにはあります。