『池に海水魚』事件

高黄森哉

事件発生


 高黄森哉だ。冴えない大学生で、付け加えると頭がすごぶる悪い。どれだけ悪いかというと、センター試験の日付を忘れ、そのまま受験しなかったくらいである。


 そんな俺が趣味にしているのは、創作活動だった。時に、カクヨム、という創作投稿サイトをご存じだろうか。これを読んでいる人の中には、ひょっとすると知らない人がいるかもしれないので解説すると、カクヨム、は主に文章的創作類に特化したサイトである。

 俺について、詳しいことを長々と語ると、余りの長文にサイトがパンクする可能性があるので、ここでは割愛させていただく。

 そんな自分なのだが、最近、自分の書いた短編が特集に載った。この奇蹟は、男性の処女懐胎に匹敵する。この果報を聞いて、あの浅原が飛んだというのだから、その凄さが知れるだろう。


 僕は穴を見つけてしまいました。卑猥な意味に取ることが出来ること文章は、実際のところそこまで猥褻ではない。穴とは欠陥のことである。


 なんと、カクヨムのトップページから跳べるこの短編、自由に書き換え可能ではないか。これは大変なことかもしれない。コレハ、ヘンタイナコトカモシレナイ。


 だだだ、だって。


 『私、安倍晋三、妊娠三か月目』とか、『水を得たヒ〇ン、月に行く』とか、『ワクチン接種の害毒』とか、『イスラム教の聖典を、エロティックに書き換えて見た』とかに、題名を書き換えれてしまうではないか。内容だってそうだ。


 ひ、ひひひひひひ。いひひひひひ。


 くくく、くそ。俺を俺を俺を、馬鹿にしやがって奴ら。復讐だ。復讐をしてやる。ふふ、ひひ、はは、へへ、ほほ。カクヨムのトップページに、卑猥な文言と共に侮辱してやる。こうして、なにがなんだかよくわからない、余りにも無意味な、カクヨムへの復讐が始まった。



 *



 カクヨム特選(詩の本棚)


『震災による日本への影響(高黄森哉)』

 

 あの震災以来、日本は右寄りに傾いてしまったと思う。地震のエネルギーは、日本列島を右へ五度、傾けるのに十分だった。だから、その日から、日本のあらゆるものは、右側に傾いてしまった。


 まず国会が右に傾いた。右に五度傾いた国会は、もうすでに国会ではなく、そこにかつての国会の姿はなかった。人間が分からない範囲で、やや右に傾くことにより、バランス感覚を知らず知らずのうちに失い、それがストレスとして蓄積される。その結果、国会にはヒステリーが蔓延していた。そのしわ寄せは世の中に行く。現在、国会は、世の中より気持ち右に五度ずれている。


 東日本の食材を購入することの重要性について。


 地震により五度傾いた、日本の右側の食材を消費することは大切なことだ。なぜなら、日本の右側が軽くなることにより、シーソーのようにせりあがってくることが、予測されるからだ。政府もこれに気が付いているようで、東日本の食材を購入することを推奨している。私も積極的に利用する次第である。



 *



 さて、この変更は影響を及ぼすに思われた、が、そうでもなかった。なぜなら、カクヨムの特集を見る人はそれほど多くないからである。それでも、某カクヨムはカンカンに怒り、私を追放した。今でも思う。


 カクヨムの特集に欠陥があるのは、私の不謹慎なユーモアのせいではなく、私を追放することは問題の実質的解決に至らない、と。


 

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『池に海水魚』事件 高黄森哉 @kamikawa2001

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