読み始めたが最後。点が線となって加速する恐怖のジェットコースター。

Twitterで大きく話題になっていることから知ったこの作品。
冒頭の数話を読んだ時点では「確かに怖いけど……?」という印象だった。



……ただこの数話は、ジェットコースターで言うならスタートしてゆっくりと傾斜を登り始めている段階なのだ。

徐々に徐々に、点が線となって恐怖が加速していく。
散りばめられた欠片が組み合わさり、恐怖のどん底へと急降下していく。
ひとたび読み始めてしまったら最後。
あなたは作者が創り上げた恐怖のジェットコースターから降りられない。
次へ次へと読み進める手が止まらないだろう。

純粋な恐怖。
あるいは、素晴らしい作品に出会えたことによる興奮。
この作品を紡ぐ作者への敬服、はたまた同じ創作者であるならば嫉妬。

様々な感情で心を揺さぶられながら完結まで見届けた時、この作品は読者に何を刻み込むのか。
私自身、それが楽しみでならない。


まさに圧巻。
雑誌の記事、ネット掲示板、不気味な手紙。
全てに絶妙なリアリティがあり、あらゆる視点からこの怪異の世界に没入できる。
考察しながら読み進めるのも良い。
とにかく文字を追いながら、不意にパズルのピースがハマったことに気づいてゾクリとするのも良い。
楽しみ方はあなた次第だ。

ただし、ホラーが苦手な人は読む時間帯を考えた方が良いかもしれない……。

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