第2話 今日も屑です。

金がない...

転生した時にジイ《神》にもらった、なけなしの金貨5枚が尽き欠けている...

なんで金貨たったの5枚だけなんだよ!

たぶん前世の金額で5万円くらいだぞ!

金貨五枚あれば普通は異世界に転生して、生活をととのえられるのか!?


ここの部屋代が二日で金貨1枚、10日で金貨5枚だから10日で無くなるんですけど!

転生前の世界では安いビジネスホテルなら一泊5千円だから二日で1万円といったところか?

「神よ...勇者がたったの5万円で出発しますか?」

まあ、勇者じゃないからなおれは...

ん...?まてよ?勇者の器じゃ無いから金貨5枚なんてことは無いだろうな?

「まあいいや。」

とにかく金を稼がないとな。

残りは金貨一枚だ、今日の分は払ってあるから、後3日で一文無しだ...

部屋にいても仕方がない!

とりあえず、街にでかけるか!

何かいい案が思いつくかもだしな。

宿から出ようとすると後ろから受付のババアが声をかけてきた

『二日で金貨一枚...』

わかってるよ!!!!と心の声で叫んでみる。


それにしても、この辺りは、中心街と比べるとひどいものだな。

朝のすがすがしい時間帯のはずが、日差しはほとんど当たらず、うっそうとしている。

いたるところに、ネズミと何かを一人でとなえている人間がそこら中にいるし。ガラの悪い大男と目つきの悪い細い男がこっちを見てニヤついてくる。

何を売ってるかわからない、謎の品物を手に持ち、こっちを手招きする猫背ババア、いやジジイかもしれない...


絡まれたら厄介だ、フードを深くかぶろう。



散歩をすると案外良い解決方法が見つかるものだ!

『ちょいと...そこの兄さん...』

小太りの、その姿に似つかわしくない、装飾品と、貴族の真似事ののような恰好をした男が声をかけてきた。

この世界にきて、まだゴブリンという生物を見ていないが、もしゴブリンがいるならばこのような顔なのかもしれないな。

『博打は好きじゃないかい?近くにあるんだが少しばかり遊んでかないかい?』

博打?!ギャンブル?!いや、ギャンブルはあまり好きじゃない。

でもこの緊急事態だ!

金を増やす絶好の機会じゃないか!

この機会を逃すわけにはいかない!

おれは、ニヤリと慣れない笑顔を作った。

「ああ..案内してくれ」

噛んだーーーー!!!!

案内してくれと頼むつもりが、

ああ、案内してくれみたいになってしまった。

かれこれ転生してから人と話さな過ぎて、口がまわらん!!


《フードをかぶりにやりと笑う男が賭博場に案内されていく》


金貨は残り一枚か...

増やせばいいんだ!

そう!増やせばいい!

一枚を倍にすれば2枚!!

二枚を倍にすれば4枚!!!

四枚を倍にすれば8枚!!!!

「三回倍にするだけでしばらく解決じゃないか!」











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屑は転生してもきっと屑 緋雨煉 @hisameren

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