あとがき(エッセンス・エッセイ)

 今作は「世界が変わる、俺たちが変える。」の後半部分に収録していた作品です。

 https://kakuyomu.jp/works/16816452219600633057


 いくつかの長編で、二本立てにしている作品がありますが、二本目の方が『ちょっと弱いな』と思ったからこそ、抱き合わせで誤魔化している感じです。


 しかし、時間を置いて読んでみると、「あれ? 意外と強いんじゃないか?」と思えるようになったので、今回は単品として昇格しました。


 一応、変化をつけるために行間を詰めた形にしています。行間が空いている方が読みやすければ、↑↑の方で読んでみてください。内容に変化はありませんので。




 コンセプトはすごく分かりやすいと思います。


 題材はゲームで言うところの「使い魔」や「モンスター」。


 そしてテーマは、「モンスター扱いされることについて」になりますか。



 タイトルにある『反撃の狼煙』は、首輪をつけられ、自由を奪われたディアモン(召喚された異世界の人間)たちの、自由と人権を取り戻すための復讐です。


 もちろん、今作のヒロインのような優しい『マスター(ゲームで言うところのプレイヤー)』もいますが、大半がディアモンを使い捨てたり、個体の強さを求めて、別種と比較したり、良い方を選んで使えない方を放置したり……


 分かりやすく言えば、有名な育成RPGなどで、ボックスの中のモンスターが使われないまま放置されているということが、みなさんあるのでは?


 欲しい個体が出てこなければ、「いらない」と判断して野に放ってしまうのでは?

 ……殺処分しないだけマシですが、そうして異世界に放置されたディアモンこそが、強い恨みを持った『野良』となっていくわけです(自分から逃げ出した野良もいるでしょうけど)。


 人間と人間のはずなのに、片方が『ディアモン』と定義されているだけで、扱いが変わってしまう……、マスターの当たり外れが、顕著に結果として出てくる物語になってしまいました。



 主人公がゲームオタクなので、ディアモンの存在や異世界にいることを早い段階で受け入れて納得していますが、ここを無知にしておけば、また変わっていたのかな? とも思います。


 置かれた立場による、焦りや緊迫感が出ていたのでしょうか……。


 全体的にノリが軽くて、ギャグ風味に味付けてされていると思います。

 ……テーマがあれなので、たくさんのエピソードが作れると思いますが……。


 ただまあ、これは今だからこそ言えるわけで、書いた当時は恐らくですけど、コメディを強く意識していたのでしょうね――。


 一人称が「うむ」のヒロインに、「うむも言わせてくれない……」と言わせたいがために書かれた長編とも言えますからね。

 そのためだけにしては長いお話でした。

 でも書いたからこそ、色々と見えたものがあるのも事実です。


 次は『陽キャ』主人公で召喚させてみようかしら。

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ディアモン:異世界召喚と反撃の狼煙 渡貫とゐち @josho

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