第11話 『戦後文明論』 日本再生の道

『戦後文明論』 日本再生の道


GDPだけが国力を現すわけでもない。幸福度を表す指標でもない。日本の教育にかける費用は世界で37位である。賃金はG7の中では6位である。研究費ランクは3位ながら、論文数では量では10年前の2位から4位、質の面では4位から9位に低下している。女性の社会的進出・活躍度いわゆるジェンダー・ギャップでは153か国中実に121である。「人」に関わる項目が気になるところである。

日本にいいとこは?安全度ではスェーデンに次いで5位である。安全、安心して暮らせるは大事なことである。教室で勉強していたら、突然銃乱射なんて国にはいくらGDP1位でも住みたくない。口は二つ、食べる口とモノ云う口の私には、モノ云えない国には住みたくない。


脱原発を決断出来なかったこの国の政治に絶望したと書いたが、この国に住んでいる以上絶望しているわけには行かない。何か再生の道はないのか?こんな時は首都遷都・・何もかも東京・首都圏に集中し過ぎた。これも日本の間違の大きな一つである。

私はそれより道州制を再生プラントして挙げたい。東北大震災・原発事故では市町村の小さな自治体の懸命さを見た。しかし県と云う単位に中途半端さを感じた。国に何も言えないのである。あれが、東北6県が一つの単位なら「東京の電力の為に何故私たちが犠牲にならねばいけないのか!」とモノ言えたであろうと思うのだ。

廃藩置県、3府72県は半減されたが3府42県の明治22年と1都1道2府43県は変らない。地方創生と云うが、地方から中央を作って行く。今や二世・三世が家業と化した政治家集団、腐った自民中央主権を壊すのはこれしかないと思うのだ。


こんなデーターがある。

オランダの2020年のGDPは913.1(10億ドル)世界で17番目である、人口は1700万。人口、面積で似た九州のGDPは2016年だが463.1(10億ドル)約半分である。失われた30年前はオランダと肩を並べていた。現状はベルギーに匹敵する経済規模である。九州が一国として成り立つ単位であることが分かって貰えると思う。

スェーデンのGDPは547.05(10億ドル)人口1000万、一人当たりGDPではオランダが11位、スェーデンが12位である。日本は2000年には2位であったが、今は27位である。この数字を見て妻は、1千万の国を10個作ったらいいのにと云った。ことはそう単純ではないが、一つのヒントにはなる。


橋下徹のさすがだと思う所、地域政党の手法である。大阪は今や維新の天下、自公どこにある?と云う感じである。都構想なんてケチなものでなく、神戸(兵庫)、京都、三都を押さえて広域連合・道州制をぶち上げればよかった!それを中央に色気をしめして石原なんかと組んだのが間違いだった。惜しい!5%野党、今や維新に並ばれている。政権時代の総括も満足に出来ていない立憲民主党。解党して地方一町村の議員から出直してはどうか、維新を何故見習おうとしないのか?


東京中央政府は防衛と外交だけで良い、全てを地方政府に任せればいい。霞が関は解体、志ある者は地方に散ればいい、東京の空気より美味しい空気を思い切り吸って頭をスッキリ頑張って下さい!

「オラが国(州)の大統領を選ぶべー」と選挙にも熱心になるだろう。ドイツの国政選挙は77%、日本は50%を少し超えるだけ、地方選挙に至っては30%台である。政治への関心が上がってこそいい人材が育つ。実績を持った人物が中央を担えばいい。

もう一つの改革は参議院である。ドイツは2院政であるが、参院は地方政府枠で構成されている。地方政府を担保するためである。私は150人程にして、半分は経済界・労働界・文化界等の有識者から代表を募ってもいいと思う。全てを選挙するから民主的という訳でもあるまい。それと党議拘束を外すこと。


道州制と地域政党、中央集権を一度外してみるを提案したい。これぐらいしか思い浮かばないのである。

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『戦後文明論』 北風 嵐 @masaru2355

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