第2話『パリピの神上井(うぇーい)と勇者巴里騎士』



〈聴こえるか、巫女よ。我は最高神ラムガだ。先に手配した『掃除の神アボッ=トロイ』が迷惑をかけたようだ。すまない。代わりと言ってはなんだが『人の世と魔の世の管理神 カムイ』を送ろう〉


「早い!?私まだ祈りを捧げてすらいないんですけど!?」


【ちーっす☆パリピの神上井(うぇーい)でーす!! 聞いたよ巫女さん。魔族攻めて来て困ってるんだって?】


「え、あ、はい、ものすごく困ってますけど……」


【よっしゃ俺らに任せといて☆ みんな肩組んで酒呑んでハジければ平和へいわ〜】


「それで丸く収まるなら、私たちは神頼みをしないと思うのです」


「それを丸く収めるのがオレっち☆巴里ぱり 騎士ないとってワケ! よろしくー! わー巫女ちゃん可愛いね~、イ○スタやってる?」


「騎士ってイメージとは程遠いのですが。……ところで、イン〇タってなんですか?」


【目田(旧顔本)社がやってる写真動画メインのS〈うぇ〜い君酒持ってき……何やってんの?〉】


「???」


【ちょっゴメン一旦切るね】


「あ、なんかヨーキャちゃんが絡みに行ったっぽいね。うぇ~いの友達の神様なんだけどさ……あ、てか巫女ちゃんの世界イ○スタない系?実はまさかのティッ○トッ○もない系だったり?」


「知らない単語ばかりなんですが」


「え、あー……ここって思ったより異世界だったんだ…………………………ま、いっか☆ さっきまでの話はおいといて、巫女ちゃんよろしく~☆ オレっちが人間も魔族も皆巻き込むパーリィしてラブ&ピースにしちゃうからさ、見ててくれよ! で、あわよくば流行らせて!」


「ぱ、ぱーりぃ?まあともかく、魔族退治を手伝ってくれるって事でいいんですよね?」


【そうだよ〜☆ てかさ、巫女ちゃん。一緒に飲まない?】


「人類が魔族の脅威から解放された際の祝杯でなら喜んで」


【そんな硬っ苦しいこと言わずにさ〜前祝い☆しちゃおうぜ☆】


「そーそー!この世は楽しんだモン勝ちってね☆てか、なんならパーリィ自体が魔族退治になるし一石二鳥じゃね?」


「遠慮しておきます。というか、ぱーりぃして魔族退治って具体的には?」


【んー、どうだろうね。パリピの神名乗ってるけど、騎士くん乗せられてパリピの神になったからその辺全部任せてるんだ☆ だから、騎士くんに聴いて】


「というわけでオレっちからご説明! こんな感じで相手と肩組んで『ウェーイ』って言うと相手をパリピにできんの! すごいっしょ。巫女ちゃんもパリピになってみる?」


「なるほど、一生近寄らないでください」


「ひでぇ!? オレこれでも全魔族とパーリィして平和にしようと思ってこの世界に来たんだけど!!」


【ばり嫌われてて草】


「というか肩組んでって、不定形のスライムとか、そもそも体格的に無理がある昆虫系の魔物とかはどうするんですか?」


「昆虫は肩に乗っけてウェーイするし、スライムは……んー……触ったらナイトプールの素材になるよ!」


「ないとぷーる?未知の単語が多いですけど、とりあえずなんだかんだ対応できるのはわかりました。ちなみにそれは永続するんですか?」


「うん。オレっちが『お前パリピやめろ』って念じるまでは続くよ」


「内容に対して無駄に高性能な能力ですね!で、飛び道具撃ってきたり魔法使ってきたりする相手には?」


「そいつのとこまで走ったりジャンプして行って肩組む!」


「行き当たりばったり!」


【神の力で援護するからだじょーぶ!!】


「まさかの二人三脚!?」


「そうそう! ウェーイの力で何か耐久力強化とか毒矢無効とか走力・ジャンプ力強化とかいろいろできんの。さすウェイ!」


「あー、えー、うーん?期待してもいいんですかね、これは?」


【元『人の世と魔の世の管理神』だけあって、アボッ=トロイより強力だぜ☆ こういう使い方が1番だよな!!】


「うえぇ?そんな大層な肩書持ってたのに、投げ捨てて大丈夫だったんですか!?」


【ダイジョーブ☆ 元の肩書きは他の自分と同じレベルの位を持つ神に任せたから!!】


「言動並みにフットワークが軽い!」


【最高神に次ぐ位だから多少の事なら誤魔化せるんだよね】


「それでいいのか、神界」


〈良くない!! 何やってんだカムイ!! いや今はうぇーいと呼ぶべきか?〉


「また何か別の声が」


「あ、最高神チッスチッス」


〈チッスじゃねぇんだよ騎士ォ!! オメー俺の次に位高い奴になんてことしてくれてんだ!!〉


「いや、だってあいつブラック神界で毎日働きづめで大変そうだったから」


〈ブラックゆうなこのバカ転生者!!〉


「えっと、最高神様でいいんですかね?もしかして、その辺り把握されてなかったんですか?」


〈ミリしら。はよ言わんかばかたれ!!〉


【へーい。まぁとにかく、魔族は何とかしますんで、任せてください!!】


「なんていうか、神界も意外と大雑把なんですね」


【せやで!!】


「まーいーじゃん。上井も今の方が楽しそうだし」


【実際楽しいし!!】


〈我以外はな〉


「お。最高神もパリピなる? 一緒に飲んじゃう?」


「いや、さすがにダメでは……?」


「うー、ダメか~! 最高神もウェーイしたら神界全体がウェイウェイハッピーになると思ったんだけどな~」


「人界の管理がズタズタになりそうですね」


〈我をパリピにしようとするな!!……はぁ、とにかくとりあえずこの場はうぇーいに任せるから何とかしてくれ〉


【任されたっ☆】


「ものすっごく不安になってきたんですが!」


「だいじょぶだいじょぶ! ウェーイしてパーリィすればなんとかなるって~。巫女ちゃんも最高神もカクテルでも飲みながら楽しく見守っててくれよ!(ウィンク)」





 ……と、自信満々に言い切ったパリナイトさんでしたが、何故か魔王討伐そっちのけで酒場の経営を開始。


騎士ナイトバー』という名で夜だけ営業するその酒場は連日大盛況だそうです。














 …………なんで?

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この勇者候補、チェンジで!! PKT @pekathin

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