コピーされた「モノ」はオリジナルと同じ「者」なのか

目覚めた「彼」の側には、自分の彼女だった女性……にとてもよく似た女性が立っていて、自分は事故で10年間寝ていたと告げられる。記憶はハッキリせず曖昧なところがあって、それでも自分は自分であると信じる「彼」。

データはコピーすれば同じ物が出来上がります。例えばPCでファイルをコピーすれば全く同じものが2つ。では人の情報をコピーして作り出した場合、それは「モノ」なのか「者」なのか。

自ら考えることができる人のコピーは、自分が自分であるかを悩み、そしてコピーを作成した側も「彼」が本当の「彼」と同じ「者」なのかを悩む……そして両者が行き着く答えは……

近未来のSFではあるけれども、現在にも通じる科学、哲学、倫理観に絡む問題を投げかけてくれるストーリー。狂気とも取れる研究の先に何があるのか見たくて、一気に最後まで読んでしまいました。アンドロイドや生命科学関連のSFが好きな方なら絶対に満足できると思います。オススメ♪

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