退屈な日常
神木駿
空虚な時間
この世界は面白いことで満ち溢れている。
そう思えたのはいつ頃までだったのだろう。二十歳を迎え、流れ行く川のように変わらない毎日を過ごしている。
大きくなれば、大人になれば何かが変わるような気がしていた。
でも実際は二十歳なんかただの子どもで日々は虚しく過ぎ去っていく。
恋人でもいれば少しは変わったのだろうか?
いや、多分何も変わらない。
どれだけ自分が充実しようと、それ以上を求める限りはその先に待っているものはなにもない。
胸の奥深くの部分には大きな穴が空いているような感覚。
その穴は俺が死ぬまで空いたままなのだろう。
もしかしたら死ぬその瞬間ですら、塞がれることなく死ぬのかもしれない。
そう考えた途端急に怖くなった。
漠然と将来に不安を抱えているが、その現状を変えようとせずただ日々を生きる。
変えようとはしている。しかしその変え方が未だによく分かっていない。
どれだけ努力しようとも才能には敵わない。
いや、これは嘘だ。
ただ単に才能があるやつには勝つことも出来るだろう。
しかし、才能を持ちながらそれに甘んじることなく努力をできるやつには勝つことが出来ない。
努力で伸ばすことができるのはあくまでも基礎的なもの。
才能のは唯一無二のものであり、それは身につけることが出来ない。
努力値が同じ100であるならば1以上の才能を持つものが勝つのは自然な流れ。
小説もまた同じではないのだろうか。
今、こうして私も小説を書いている。
もちろん物語を1から創造し、それを書き記すことが出来る人間は一握りなのかもしれない。
その一握りの中の一握りが才能を持ち、努力出来る……する人間がいる。
そうした人たちと私が、同様に扱われることに嫌悪感を覚えてしまうのは私だけなのだろうか?
この話をすると賛否両論が出て結論はその人自身の考え方によるものが大きい。
上は見れば見るほどたくさんいる。
それを見ないふりして自分が一番だとあぐらをかくのはやはり違う。
だけどやるなら一番を目指せ。という話でもない。
ここまで読んでくれている人は私が何を言いたいのか分からないと思う頃だろう。
結論は私にも分かっていない。
結局はその人自身の感覚であり、全てを理解するのは不可能なんだ。
けれど少しでもいい。この感覚が共有されるのであれば僕は嬉しい。
退屈な日常 神木駿 @kamikishun05
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。退屈な日常の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます