第9話 海辺の町なのに…
宿の食堂では昼は営業してないとの事。食べるなら近所に食堂が有るのでそこを利用してくれ。と宿屋のオジサンから聞いて食堂に向かったのだが…
何と!海辺の町なのに海産物が一切無かった!
一体どうしてなのか聞いてみたら、海には凶悪なモンスターだらけで海産物なんて取れる訳が無いとの事。
何てこった…せっかく海に来たのに海産物が無いなんて…それは無いよ神様。
仕方ないので店のお勧めメニューを食べる事にした。何か分からない肉入りシチューとパンだったがまぁまぁ美味い。値段も銅貨ニ枚と多分安い。貨幣価値が未だよく分からないが多分安い。きっと安い。
食事をした後、せっかく来たんだし取り敢えず海辺を見に行く事にした。町の南側へ向かい歩いて行くと、堤防みたいな壁が見えて来た。上へ登れる階段みたいな場所を探すとそれらしき梯子段が有る。試しに上がってみると特に崩れたりしないのでそのまま上まで登ってみた。
堤防の見晴らしは良いが、海は砂浜がなくいきなり断崖絶壁みたいになっていてかなり危険な場所になってる。海をよく見るとかなり大きな甲殻類らしいモンスターが居た。五メートル位有りそうなデカい海老?みたいなのがハサミでデカい魚?みたいなのと戦っている。海中なのでよく見えないが、これはヤバいね。魚は何とか逃げ出した様だが見た目マグロみたいだ。捕まえられたら寿司にしたいね。
暫く海を眺めていたが他にも蟹みたいなのとか貝っぽいのもいる。いずれもデカいし、逆にこちらが食われそうだが何とかならないものか?
魔法が使えたら何とかなりそうだが現状どうにもならない。目の前に海産物が泳いでいるのに悔しいのぅ…
何とか捕まえて食べられないかと考えて悶々としていたが、夕方になり日も沈んできたので宿に戻る事にした。
やはり捕まえるなら頑丈な銛とそれに結ぶ縄、いや鎖が必要だろう。俺の投擲なら魚なら銛で多分イケる筈だ。しかし銛を買うにも先立つ物が無い。先ずはお金を稼ぐ方法を探さないと…
色々考えながら歩いていると誰かが俺に声を掛けてきた。
「オークの兄ちゃん、あれからどうした?お金は手に入ったかい?」
町に入った時に居た屋台のオジサンだった。
「ええ、あの時は有り難う。無事にギルドで薬草を売れました」
「そりゃ良かった。良ければうちにも買いに来てくれよ」
「はい、ところで何を売ってるんですか?」
「うちはギルドから仕入れた肉を串焼きにして売ってるよ。評判も悪くないぜ」
「ギルド?冒険者ギルドですか?」
「そうだよ。兄ちゃんもギルドに入ったなら依頼を受けてみたらどうだい?」
「そうですね。明日にでも行ってみます」
そういえばギルドで依頼受けるのは定番だった。一応、武器も借りてるし明日は朝からギルドに行こう。
勘違い転生 願ったチートは無かったがそれはそれで良かったかもしれない 伊藤ジェダ @yamenaika
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。勘違い転生 願ったチートは無かったがそれはそれで良かったかもしれないの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます