ぞっとするような、体が震えるような、艶めかしすぎる蟻地獄……。

読んでいると、震えてしまう……心が飲み込まれてしまう……ドーパミンとアドレナリンが分泌されて……頭がおかしくなる……！！

高校の時に、痴漢に犯されかけた絶世の美少女を、もっと早く助けていればと罪悪感に魘されるまま、大学生になった主人公―――司は人数合わせに合コンに参加する。

それでまさか、助けた絶世の美少女―――優奈と再開する。ここまで読んだだけなら、心が優しく撫でられるような展開を想像してしまうでしょう。

だが、優奈は狂っている……美しく狂っている。司を見るだけで、想像するだけで、体に電気が走るように身を悶えさせる。

そして、彼女の姉―――現役女優の楓は、壊れていた……艶めかしく壊れていた。司を自分の赤ちゃんに見立てて、母乳をあげるところを想像しては、足をくねらせる。

今まで読んだことの無いヤンデレ美人姉妹は蟻地獄のように、違和感を感じつつ優奈をもっと早く助けられなかった罪悪感を持つ司を密かに引きずり込んでいく。

ヤンデレがこんなに魅力的に感じる作品に初めて出会えた気がします。自分自身がヤンデレになっていくような、シンクロ率120％の女性sideの描写はページをめくる手を止めさせてくれません……。