未明の西空 🌠

上月くるを

未明の西空 🌠





 午前五時、玄関のカギを開けると、外はまだ真っ暗で、鋭い寒気が迫って来ます。

 西空に少し傾いて煌々と光る丸い月、その月を守る金星と火星(たぶん(笑))。


 月の斜め右下と左下に位置し、じゅわじゅわ潤むふたつの星は、月の子どもたち。

 まるでぼくらのかあさんを誇るように、きれいな二等辺三角形をつくっています。


 おお、さむ……思わず襟をかき寄せたひふみさんの目もなぜかウルウルしていて。

 といってなにかあったわけではなく、こうして生きていることに心がふるえ……。




      📻




 起きがけに聴いたラジオで、阪神・淡路大震災の被災者が当時を語っていました。

 28年になるのですね、1995年1月17日の衝撃の朝から。:;(∩´﹏`∩);:


 あの日、ひふみさんは顧客を集めて、郊外の温泉旅館で新年会を催していました。

 大広間での朝食でテレビニュースを観て、思わず幼い子どもらを抱き寄せました。




      ☔




 そして、地震といえば、反射的に脳裡によみがえるのが、直下型震度6強の被災。

 東日本大震災から三か月後の朝、事務所で朝礼中に真下から突き上げられました。


 あとで聞くと、なんと断層の真上に当たっていたそうで、建物も商品も滅茶苦茶。

 二階にいたスタッフ全員に怪我がなかったのが奇跡のような凄まじい揺れでした。


 報道を知ってすぐ見舞いに駆けつけてくださった方々のご厚意が身に沁みました。

 人間、打ちのめされると、水も食べ物も受けつけなくなるのですね。(/・ω・)/




      🌖




 あんなに澄みきって美しく地球を照らしている月のかあさんと星の子どもたちに、呆然としてどうしたらいいか分からないような事態が、どうか起こりませんように。


 もし神がおわすならば、宇宙の平安と地球の安寧をどうかどうかお守りください。

 善行ばかり積んでいるわけではないけれど(笑)そう悪行も働いていないつもり。


 そんな大方の人間や、なにも知らない動植物に恐ろしい脅威をどうか与えないで。

 玄関のドアを閉めて、暖かい室内にもどりながら、心から祈らずにいられません。




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