【短編】大吉と大凶・運命の分かれ道〜旧異世界勇者の子孫達の陰謀と新異世界勇者達!!〜◆番外編◆
ミケネコ ミイミ♪
大吉と大凶・運命の分かれ道
ここはとある町の神社。
(どうしよう。今年も引こうか……。だけど、いつも同じ中吉だしなぁ。それに引いたからって、どうなるってこともないし……)
そう思いしばらく考えていたが、やっぱり年に一度だしと思いおみくじを引くことにした。
(どうだろう? 今年は……)
おみくじを引くと恐る恐る紙を広げる。と同時に書かれていた文字をみて驚いた。
「えっ!?」
おみくじを落としそうになり、慌てよろけながらも紙をキャッチする。
(おっと……。危ない危ない。落とすところだった。……でも、まさか……。もしかしたら、今年はいいことがあるかも)
そう思いながらもう一度おみくじをみた。
そこには【大吉】と書かれている。再びそれを確認すると、ヨシっと心の中で言った。そして書かれている文字を読んでいく。
するとある文をみて首を傾げる。
(どういう事だ? 待ち人きたる。だが遠方にて--。……って、くるけど遠くで逢えるってことなのか……。
んー、考えてもしょうがない。所詮おみくじだしなぁ)
そう考えが纏まると近くにある専用の枝の高い所におみくじを結んだ。
その後、本当に良いことが起こりますようにと手を合わせ願いこの場を離れた。
そして数ヶ月後……。光はシェルズワールドにゲーム内のキャラ、ハクリュウとして
しばらくして名もなき城にて、ずっと会いたいと思っていた人物に助けられた。だがこの時、既におみくじのことなど覚えておらず。
現状の緊迫した空気が中庭全体に漂う中、その人物のいう通り、ただただ戦況を見据えある者の指示を待つのだった。
場面と時は変わり__ここはシェルズワールドの南東側に位置する辺境の地にある名もなき城。
この城の中庭の南側の祭壇よりも北の方では、ユウこと
(……何で俺は魔王として召喚されて、
それだけじゃない、なんかあの日からついてない……)
そう考えながらその日のことを思い出していた。__
__シェルズワールドに召喚される数ヶ月前の正月、勇聖は近くの神社に来ている。
そう相変わらず、帽子を被り、サングラスをかけ、パーカーのフードで頭を深々と覆い視界を遮っていた。
(やっぱり、こなきゃよかったかなぁ。……人が多い、ああ嫌だ。早くおみくじ引いて帰ろう……)
そう思いながらおみくじを引く。
「さて、今年は……」
紙を広げみると同時に「……」絶句した。
そうそこには【大凶】と書かれていたからだ。
(大凶って……。それに、ここに書かれていることが理解できない)
そこに書かれていたこととは……。
遠方に行くが思い通りにならず。やることなすこと上手くいかない。
何もせず流れに任せよ。さすれば助け船が現れるだろう。……と記載されていた。
(これ……。んー、どういう事だ? 何度読み返しても分からない)
そう考えながらおみくじをジーっとみつめる。
「……やっぱり、意味不明だ。……まぁいいか、下の方にでも……結んでいくか」
手頃な枝をみつけるとおみくじを結んだ。とその時、力を入れ過ぎてしまい、プチっと紙が真っ二つに破ける。
「う、そだろうぉ〜!?」
思わず叫んでしまった。勇聖は、まずいと慌てて口を手で塞ぐ。
(思わず叫んじゃったけど。これ……どうしよう? とりあえずこの二枚、結んでいこう)
今度は破けないように、そっと枝に結んでいった。
(ふぅ〜、これで大丈夫かな? でも、……破けるって……)
その時はそう思っていた。だがその後、犬に追い回されたりと、ついてないことがたて続けに起きる。
そして数ヶ月後、オルドパルスにより魔王としてシェルズワールドに召喚された。
そのあと騙されて、名もなき城で生贄の一人として北側の祭壇に……。
__現在ユウは、そのことを思い出しながらノエルを助けるために、南側の祭壇へ向かっている。
(……やっぱり、あのおみくじを引いた日から運命が低迷してる……)
そしてそう思いながらユウは、ひたすら祭壇に向かうのだった。__☆完★
【短編】大吉と大凶・運命の分かれ道〜旧異世界勇者の子孫達の陰謀と新異世界勇者達!!〜◆番外編◆ ミケネコ ミイミ♪ @myimi
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