終わりと、永遠が、溶け合う世界。

死後、植物に輪廻できるようになった世界の物語。

物語が進むにつれ、人々は、自らのあり方を選択せざるを得なくなっていく。

器を手放し、永遠の命を手に入れるのか。
新たな器で命をつなぎ、植物として生きていくのか。
命と器を一体として、人としての人生を全うするのか。

登場人物たちそれぞれの選択をかみしめながら
「あなたは、どんな風に生きていきたいの?」と問われている気がした。

私は、カラダが尽きるとともに、命も尽きる生き方がしたいと感じた。

であるならば、この器が朽ちるまでに、この肉体で何を体験していこう?
この物語を読んでから、そんなことばかり考えている。

この世界には、終わりも、永遠も、同時に存在し
私たちは、いつでも、それらを、自分の意思で選択できる。

それを、この物語は教えてくれた。

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