終わりと、永遠が、溶け合う世界。
- ★★★ Excellent!!!
死後、植物に輪廻できるようになった世界の物語。
物語が進むにつれ、人々は、自らのあり方を選択せざるを得なくなっていく。
器を手放し、永遠の命を手に入れるのか。
新たな器で命をつなぎ、植物として生きていくのか。
命と器を一体として、人としての人生を全うするのか。
登場人物たちそれぞれの選択をかみしめながら
「あなたは、どんな風に生きていきたいの?」と問われている気がした。
私は、カラダが尽きるとともに、命も尽きる生き方がしたいと感じた。
であるならば、この器が朽ちるまでに、この肉体で何を体験していこう?
この物語を読んでから、そんなことばかり考えている。
この世界には、終わりも、永遠も、同時に存在し
私たちは、いつでも、それらを、自分の意思で選択できる。
それを、この物語は教えてくれた。