※本編で語られなかったQ&A(ただの設定語りです)

Q0:逢魔のレイドの“レイド”ってなに?


A0

 raid。急襲、奇襲、襲撃とかそんなニュアンス。

 つまり邪神に魅入られたせいで今後大変なことになりますよって意味合い。

 間違っても隷奴ではない。えっちいのはいけないと思います。



Q1:本来の“スカーレット”の未来はどうなってたの?


A1

 ツェツィーリアは邪神降臨の儀式で魔力を絞りつくされて死亡。スカーレットはかろうじて生き残るが、邪神に印を刻まれて“支配”されることに。

 その後国境警備隊にジークフリートとスカーレットは保護される。


 ただしこの件でスカーレットが“邪神の花嫁”となったことで、メイスオンリー家と邪教が繋がっているのではと疑われ、ヒルベルトは調査のため捕縛。

 ツェツィーリアを死なせたこともありヒルベルトは素直に尋問を受けるが、その際何者かの手によって、ヒルベルトは暗殺される。

(国境警備を司るヒルベルトを疎む者がいたり邪魔だったり、第三王子とスカーレットの婚約を巡るいざこざだったりが原因。普通に戦うと面倒な相手のため、ヒルベルトを殺したい連中にとっては渡りに船だった)


 友を死なせた国王ラトールは、スカーレットの後見人を務める意味も込めて、ジークフリートとスカーレットの婚約を本決定した。

(一方で“邪神の花嫁”を監視するために手元に置いておきたかったというのもある)


 ただヒルベルトを無実の罪で死なせメイスオンリー家を没落させたこと、また後任の国境守がメイスオンリーのやり方を否定するような高慢ちきな貴族だったため、メイスオンリー領民の対クリスタニア感情は一気に険悪に。

 それがプロローグであったカールハイトとの戦争のきっかけになったりなど、後まで響く禍根となった。


 ちなみに“本来の未来”で『スカーレットが世界を滅ぼすことを標榜する邪教に被れた、頭のイカレた女』として知られていたのは、第三王子殿下の婚約者というスカーレットの立場を妬んだ周辺貴族の嫌がらせが原因。

 この瑕疵を利用してスカーレットを婚約者から引きずり降ろそうとしたが、予想以上にラトールが強固に拒絶したため、婚約者下ろしは実現しなかった。




Q2:なんでスカーレットとツェツィーリアが生贄として選ばれたの?


A2

 スカーレットは単純な魔力量から、ツェツィーリアは魔力量に加え、神々からの“加護”持ちという敵にとって非常に嫌いな存在だったから、という理由。

 つまり本来はツェツィーリアが本命で、スカーレットのほうが言うなれば数合わせのオマケだった。


 が、1回目の儀式で生き残ったスカーレットのことを邪神が気に入り“マーキング”してしまったため、それ以降スカーレットがメインのターゲットに。

 ただ別に生贄はスカーレット・ツェツィーリア両名でなければならないということはなく、魔力量さえ賄えるなら儀式自体は誰が生贄でも実行可能。


 “今回”ツェツィーリアが生存したため儀式は失敗したが、以降ツェツィーリアの護衛が厳重になるため、“老人”連中は大量虐殺による魔力量確保に方向性を切り替える……かもしれない。

 “彼”/ スカーレットは邪神のお気に入りになってしまったので、たぶん今後も狙われ続ける。




Q3:邪神降臨の儀式にジークフリートが連れてこられた理由は?


A3

 ジークフリートにトラウマを植え付けて、今後コントロール(“攻略”)しやすくするため。

 目の前で妹を殺され、婚約者も守れなかったジークフリートはこの騒ぎの中で“加護”の力を喪失。“鼓舞”どころか“畏怖”まで使えなくなってしまう。


 以降ジークフリートはこのトラウマから逃げるように、騎士としての戦闘訓練に明け暮れることになる。

 性格も少年らしさや快活さを失い、穏やかで物腰柔らかではあるものの、どこか暗いものを感じさせる青年へと成長していく。


 スカーレットを守れなかったこと、また無実の罪でヒルベルトを死なせたことがスカーレットに対する負い目となっており、スカーレットが邪神復活のために何か良からぬことをしていたのに気づいていても、見て見ぬふりをしていた。




Q4:スカーレットが邪神降臨の儀式から逃げ出したらどうなるの?


A4

 スカーレットが全てから逃げ出した場合、ラトール・ヒルベルト・ジークフリート・スカーレットが邪神降臨の生贄にされて、死体すら残らずみんな死ぬ。

 その後に“老人”連中があることないこと吹きこんで、メイスオンリー領が邪教騒ぎの原因とされ、王国騎士団がメイスオンリー領に進軍。

 失踪したラトールらの捜索、邪教の捜査と根絶を理由にメイスオンリー領で大量虐殺が発生する。


 この時ソニアらメイスオンリー邸の従者たちも全員殺される。スカーレットの前で、見せしめとして。

 これが大体ループ一桁目の頃の話。以降、スカーレットは抵抗するのを諦めて、自分の運命=果てのないループを受け入れた。


 スカーレットが2章で語った『……それができたら苦労はしないわ』というのはこれのこと。

 ヒルベルトとツェツィーリアを犠牲にし続けることで、それ以外の人たちが生き残れる道を選んだ。


 ちなみにスカーレットがループの記憶を取り戻すのは、スカーレット十歳の誕生日=コムニアでジークフリートとツェツィーリアが誘拐された後のこと。

 なので記憶を取り戻してもスカーレットにできることは限られており、状況的にほぼ詰んでいた。




Q5:“今回”邪神はどうなったの?


A5

 スカーレット・ツェツィーリア両名を生贄に捧げられなかったため、魔力量が足りず儀式は失敗。

 ただしツェツィーリアの魔力を奪って描かれた魔法陣と、戦闘の結果辺りに散らばったスカーレットの血、そして食べられた“老人”の魔力によって、邪神の魂の半分くらいは召喚が叶ってしまった。


 現在はある程度魔力が溜まったら勝手に現界し、人間界の生活を楽しんでは消える日々を送っている。たぶんたまにスカーレットたちにちょっかいを出しに行ってる、と思う。

 スカーレットたちからは蛇蝎のごとく嫌われている。




Q6:“彼”は何者?


A6

 ただのチンピラ傭兵兼賞金稼ぎ。

 物心ついた頃には既にスラムで暮らしていて、暴力三昧の生活の後にスラムを飛び出して傭兵になった。


 スカーレットとはプロローグ時点が本当に初対面。何度も世界をループしてきたスカーレットにとっても、“彼”との遭遇はこれが初だった。

 何故かというと、大抵のループで彼はそれよりも前に死んでたから。


 なのにあのプロローグの時間軸の時だけ、何の因果か彼は生き残ってスカーレットに出会ってしまった。

 これに関してはスカーレットさえ意識してなかった日々の行動の何かが、バタフライエフェクト的に彼の生死判定に影響を与えたため。


 つまり何の因果かたまたまうっかり生き残ってしまった“彼”が、たまたまうっかりスカーレットを殺しに行って、たまたまうっかりスカーレットの逆鱗に触れた結果が本編時空。

 数あるループの中のたった一回で最低の出会い方を果たした挙句、最低の地雷を思いっきりぶち抜いた辺り、たぐい稀なる不運の持ち主ではある。








 他何か説明が必要なこととか思いだしたら、そのうち追記/修正するかもです。

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マサカリ担いだご令嬢(♂)、悪魔に魅入られ逢魔のレイド ~『私の代わりに“悪役令嬢”やってね』とか言われても、誰が受け入れるかクソッタレ~ アマサカナタ @AmasakaNata

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