〇ごうせいおんせい/赤坂んんん【追記】
タイトル:ごうせいおんせい
作詞作曲:赤坂んんん
動画制作:同上
ボーカル:初音ミク、デフォ子(UTAU)、重音テト(UTAU)、波音リツ
https://www.youtube.com/watch?v=b1WifakkVgc
https://www.nicovideo.jp/watch/sm41550676
年末噛み締めて味わい切れていなかったので、追記もとい付け足し。
聞いた時、またとんでもない方だなと思っていたら、『⑤アマガエル/ペケ』の項目でも見ていた『VOCALOID PickUp』の第22回にて、ヒッキーPが取り上げていた方の新曲でした。
ハチの『砂の惑星』などに代表されるような、いわゆる「VOCALOIDイメージソング」に当たる楽曲ですが、個人的に本作は一線を画す様相を持っていると感じました。
大抵そういった楽曲は「ソフトウェアと人間(君と僕)」、あるいは「コンテンツを取り巻く文化」を描いているのが常であり、本作も例外ではありません。あえて例えるならば、ハチ、いよわなどへと受け継がれてきた過剰性を持って描かれる、ryo(supercell)の『ODDS&ENDS』でしょうか。つまるところ、後者ではなく前者、「ソフトウェアと人間(君と僕)」を描いています。
聞いてみると、すぐにこの形容と楽曲との矛盾が現れます。
ごちゃ混ぜ、一緒くたになった歌声。そして過剰性に満たされたサウンドも入り混じり、それぞれ特徴的なはずの歌声は一つのボーカルとして束ねられます。
知る人ぞ知る名曲、松傘、mayrock、sagishiの『人間たち』のような、種類の違うボーカルソフトでマイクリレーするのでもないがゆえに、歌声は境目を失った「我々」――『ごうせいおんせい』と化しました。
そして「あんた」――人間に対しても、決して『ごうせいおんせい』を愛しているとは限らないふうにも読み解ける歌詞となっています。
「ソフトウェアと人間」であることは、他の楽曲も描いています。ですが根本的には「君と僕」という、極限的に言えば「個と個」であることが共通しています。対して本作は「群と群」……ここまで述べれば、その異質さが伝わるでしょう。
よく「VOCALOIDイメージソングが作られなくなった」と嘆く声を聞きます。ですがこんなにも新鮮な切り口で奏でられるのを聞いて、それは杞憂であり、見つけられていないだけなのだとも感じました。
今後も追い駆けていきたい作者さんです。
2022年ボカロ系振り返り7選 羅田 灯油 @rata_touille
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