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概要
「蜜の味って何度思い出してもたまらないなあ」
大きな身体から発せられる声はやたらと力強く、説得力のない内容でも、なんとなくそうなのかと思わせるような自信あふれる発言に聞こえるからすごい、とテントウムシは思うのでした。
クワガタの越冬は朽ち木の中でするはずなのですが、なぜかこの木の皮の間にできた小虫の集まりに混じっています。
「大きな木に沸いてるのは、花の蜜やアブラムシやアリが吐き出すのと違って、なんか柔らかい甘い香りがしていて、あれを口にすると他のじゃ物足りなくなるもんなあ」とその味を思い出したからなのか、その長いクワを少し持ち上げ、暑い盛りに味わった口の感触を思い出しているかのようなのでした。
この大木の皮が剥がれかけている隙間は、虫たちにとって格好の越冬の場であり、長い冬を乗り
大きな身体から発せられる声はやたらと力強く、説得力のない内容でも、なんとなくそうなのかと思わせるような自信あふれる発言に聞こえるからすごい、とテントウムシは思うのでした。
クワガタの越冬は朽ち木の中でするはずなのですが、なぜかこの木の皮の間にできた小虫の集まりに混じっています。
「大きな木に沸いてるのは、花の蜜やアブラムシやアリが吐き出すのと違って、なんか柔らかい甘い香りがしていて、あれを口にすると他のじゃ物足りなくなるもんなあ」とその味を思い出したからなのか、その長いクワを少し持ち上げ、暑い盛りに味わった口の感触を思い出しているかのようなのでした。
この大木の皮が剥がれかけている隙間は、虫たちにとって格好の越冬の場であり、長い冬を乗り
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