強さや気高さだけでは無い女性騎士の胸の内

 伝わりやすい言葉で丁寧に表現された文章が本当に素晴らしい。その厳選された言葉に思わず惚れ惚れしてしまいます。
 過度に綺麗な言葉を用いなくとも、読み手に美しいと感じさせるそれは、おそらく表現されたそのものが美しいからなのでしょう。

 主人公の女性騎士(敢えて女騎士とは言いません)は、もちろん強さと気高さを持ち合わせていますが、そう簡単ではない彼女の胸の内側もしっかりと描写されていて……(おそらくこの作品の主題はこちら側にあるのでしょうが)二章の舞踏会でのワンシーンはとにかく一読の価値があります。

 女性向けとありますが、もちろん男性が読んでも惹き込まれると思います。おすすめです。