第2話

 3月7日 - 新石垣空港(石垣島東部)が開港。

 金田一は羅臼温泉にやって来た。

 羅臼川上流の知床国立公園内、知床横断道路である国道334号沿いに温泉街が広がる。旅館(ホテル)が3軒、温泉民宿が3軒存在する。また、国設の羅臼温泉キャンプ場も整備されている。


 共同浴場は、無料で入浴可能な露天風呂「熊の湯」がある。また、集落内には住民用の公衆浴場もある。また、温泉街の近くには、北海道の天然記念物に定められている羅臼間欠泉もある(1968年北海道天然記念物指定)。

 民宿でテレビを見ていた。本間って野村萬斎に似た学者が毒殺されたらしい。散弾銃は川に捨てた。

 

 温泉にゆったり浸かり、ロビーでビールを飲んでると深津絵里に似た女性が妖怪について話してくれた。「イワエトゥンナイってアイヌ民族に伝わる妖怪がいるの。山の中に棲んでいる一つ目の化け物で、空を飛ぶことができるわ。進路が障害物で阻まれている際には、樹木であろうが硬い岩であろうが、どんなものでも突き抜けて飛ぶ。障害物に穴を開けて通り抜けるという説もあるわ」

「見てみたいものだな」

 

 3月14日 - 東京地方裁判所、成年後見人が付くと選挙権を失う公職選挙法の規定について違憲と判断。


 菜奈は羅臼の歴史博物館にやって来た。

 縄文時代の装飾、玉石が発見されている。

本州における奈良時代以降は独自のトビニタイ文化が栄えた。

 1618年(元和元年):メナシの酋長がラッコの皮を松前藩に献上(『新羅之記録』) 。

 1701年(元禄14年):霧多布場所が開設され知床のアイヌが交易をなす。

 1774年(安政3年):飛騨屋久兵衛が霧多布場所他三場所の請負人となる。

 1789年(寛政元年):「クナシリ・メナシの戦い」起こる。

 1799年(寛政11年):江戸幕府が東蝦夷地を仮直轄地として上地。

 1858年(安政5年):松浦武四郎が知床を探検し、多くの記録を残す。

 

 菜奈は歴史が得意だ。羅臼の歴史はこんな感じだ。

 

 出納係として真面目に働いて来た中年サラリーマンの朝倉和幸(真木蔵人に似てる)は、自らの勤続25年を祝うパーティの帰りに、暴漢に襲われている美女、佐川貴子を助ける。貴子は娼婦で、辺見えみりに似ている。

 彼女のヒモである硴塚龍臣と金のことで揉めていただけだったのだが、自らを女優と称する貴子の言葉を鵜呑みにし、彼女に魅了されてしまった朝倉は、とっさに自分が金持ちの画家であると嘘をついてしまう。翌日、この話を聞いた龍臣は貴子に朝倉を騙して金を巻き上げるように言う。

 真木蔵人は『BROTHER』や『龍が如く』などで有名なアクション俳優だが、朝倉はヒョロヒョロしてる。

 最初は抵抗を示した貴子だったが、暴力的な龍臣の言いなりになっている彼女は巧みに朝倉を誘惑してその気にさせ、アトリエとして高級アパートを借りさせると、そこに囲われることになる。


 一方、朝倉は5年前に未亡人だった満島ひかりに似た奈美子と結婚したのだが、川に落ちた女性を助けるために行方不明となって溺れ死んだとされる前夫、羽黒刑事を偶像化している奈美子は、朝倉を激しく虐げていた。羽黒は武藤敬司に似ていた。


 そんな妻に辟易としていた朝倉は妻が貯め込んでいた前夫の残した生命保険に手を付けて貴子を囲っていたのである。ところが、唯一の趣味である絵を描くことすら奈美子に嫌がられた朝倉は、貴子を住まわせているアパートに絵を運び込むと、更に金を無心する貴子に、遂に会社の金にも手を付けてしまう。


 朝倉が有名な画家だと思い込んでいた龍臣は朝倉の絵が高い値で売れると思っていたのだが、実はそうでないと知ると、街中で絵を売っている老人、松山に朝倉の絵を預ける。松山は松方弘樹の弟、目黒祐樹に似ている。ところが、高名な美術批評家である屋代(本木雅弘似)が朝倉の絵を気に入り、画商の嵐山とともに、龍臣の後を追って来た松山に連れられて貴子の住むアパートにやって来る。

 これをチャンスと思った龍臣はとっさに絵を描いたのが貴子だということにしてしまう。とまどう貴子だったが朝倉との会話で得た絵画の知識を駆使して巧みに画家を装うと、屋代と嵐山は新進美人画家として貴子を売り出してしまう。

 

 3月15日

 新幹線200系電車が定期運用から引退。これにより国鉄時代の新幹線車両は全廃され、日本の新幹線が全車VVVF(CI)制御車になる。

 同日付の終電をもって、東急東横線と東京メトロ日比谷線の直通運転終了。


 金田一は知床峠にやってきた。知床峠は、北海道目梨郡羅臼町と斜里郡斜里町の境にある国道334号の峠。標高738m。根室振興局とオホーツク総合振興局の境界にもなっている。


 知床半島を横切っており、知床横断道路と呼ばれる。羅臼~斜里間の経済・文化の交流、世界遺産「知床」や道東の広域観光道路として利用されている。


 気候の変化が著しく、雪崩や崖崩れなど道路管理に厳しい条件となっているため、降雪により北海道内の国道で唯一通行止めになる。知床峠の除雪作業や開通のニュースは、北海道の春の風物詩となっている。


 峠は知床の原生林を見渡す位置にあり周辺は世界有数のヒグマの生息地でもある。知床峠駐車場があり、ビューポイントになっている。峠からの眺めは知床八景の1つに選ばれており、羅臼岳やハイマツの樹海、天候が良ければ北方領土国後島も望むことができる。


 峠頂上部より羅臼側標高650m地点は見返り峠と呼ばれており、ヘアピンカーブ(つづら折れ)が続いている。


 今のところ追っ手は来ていないようだ。

 金田一はフリスクナイフって武器を服の下に隠していた。

 

 3月16日

 東急東横線渋谷駅を地下駅に移転した上で東京メトロ副都心線との相互直通運転、およびみなとみらい線(東横線と乗り入れ)から東武東上線及び西武池袋線(副都心線と乗り入れ)までの相互直通運転開始。


 秋田新幹線に新車両「E6系」を導入、愛称は「スーパーこまち」。


 東日本大震災により被災したJR東日本の路線のうち、石巻線渡波駅 - 浦宿駅間、および常磐線浜吉田駅 - 亘理駅間が復旧。


 金田一は羅臼湖にやってきた。

 知床国立公園内の最大の湖で、知床峠の南西に位置し周辺には大小5つの沼がある。知床峠から羅臼側に3kmほどの所に羅臼湖入り口バス停がある。バス停から羅臼湖までは約3kmで標高差80mほどを歩く。 登山に準じた装備や体力が必要となり、湿地や雪渓を歩くため長靴やエゾヒグマの生息域のためその対策も必要となる。

 長宗我部を倒せたことは人生最大の喜びだ。

 羅臼町は知床の海を基盤とする漁業の町で、就業人口をみると漁業の割合が突出して高く、就業者の6割以上が水産関連の仕事に就いている。魚種は秋さけ(サケ)、イカ、すけそ(スケトウダラ)、コンブ、ホッケが中心。農業は標津町に近い峯浜地区で酪農業が営まれ、工業は水産加工業が中心となっており、商業は羅臼町市街地を中心に行われている。観光は日帰り通過型の観光形態が多く、宿泊者は例年の観光客総数の1割から2割程度である。


 羅臼町の海では海洋深層水の湧昇があり、1999年(平成11年)に北海道内初の陸上取水型施設を設置している。2007年(平成19年)から羅臼漁港に完成した知床らうす深層水給水施設で本格取水を実施しているほか、北海道内外における研究機関、企業との共同研究によって海洋深層水の可能性を探っている。


 画廊で朝倉の絵が売られているのを目撃した奈美子は、朝倉が「有名画家の佐川貴子」の絵を盗作したと思い込み、朝倉を激しく責める。朝倉は貴子のもとに駆けつけ事情を確認するが、生活のために絵を売ったという貴子の言葉を信じ込み、むしろ自分の絵が高く評価されたことを喜ぶ。そして、若く美しい女性である貴子が描いたことにした方が良いと考え、その後も貴子の名義で絵を描くことになる。こうして、朝倉による貴子名義の絵画は個展を開くまでに評価されるようになる。


 そんなある日、朝倉のもとに死んだはずの羽黒刑事がみすぼらしい姿で現れる。実は羽黒は汚職警官で、その事実が暴かれそうになったために自殺するつもりで、川に落ちた女性の後を追ったのだが、とっさに掴んだ彼女の帽子が実は財布で、そこに大金が入っていたことから、その金を奪って身を隠していたのだ。奈美子と復縁するつもりはなく、黙って姿を消すので金をよこせと言う羽黒に、朝倉は羽黒の生存が明らかになれば奈美子との結婚が無効になり、晴れて貴子と結婚できると考える。そこで朝倉は、奈美子が貯め込んでいる羽黒の生命保険を盗み出すようにと羽黒をそそのかして夜中に家に引き入れ、強引に奈美子と引き合わせる。


 突然に現れた羽黒に慌てる奈美子を放置し、朝倉は荷物をまとめて貴子のもとに向かう。ところが、アパートで貴子と龍臣が愛し合っている姿を目撃した朝倉は、自分が騙されていたことにようやく気付く。ショックを受けた朝倉がその場を後にすると、貴子と龍臣は朝倉に全てを知られてしまったことに気付いて揉め出し、怒った龍臣が出て行ってしまう。


 バーで酒を呑んだ朝倉は酔いに任せて貴子のもとにやって来ると彼女を責める。すると、開き直った貴子に醜い男と罵られた朝倉は咄嗟にアイスピックで貴子をメッタ刺しにして殺してしまう。正気を取り戻した朝倉が逃げ出そうとすると、そこに酔った龍臣が戻って来る。朝倉は身を隠して密かに逃げ出し、入れ違いに現場にやって来た龍臣が貴子殺害の犯人として逮捕される。一方、朝倉は会社の金を盗んだことがばれ、社長の温情で告訴はされなかったものの、会社をクビになる。


 3月17日 - 千葉県知事選挙で、現職の森田健作が再選。

 金田一は呆気なく羅臼湖の畔で竜崎によって逮捕された。

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闇に叫べ!8 羅臼殺人事件 鷹山トシキ @1982

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