第3話 遅刻

遅刻したためいつもより遅い電車だ。

割と空いていていつもと景色が変わったように見える。

あと一駅というところで見慣れた制服が見えた。

一瞬思った夢のあいつに会えるかもしれないなんて思ったけどそれは勘違いだった。

あいつとは真反対の清楚な感じの女の子だった。少し具合が悪そうに見えた。

築いた頃にはもう体は動いていた。

「大丈夫ですか?」

「はい…」

「帰った方がいいんじゃないか?」

「授業あるので…」

すげぇこいつ具合悪くても学校行こうとしてる。俺なら絶対休んでる。

そんなことをしていると駅に着いてしまった。

「さっき言ってたけどきっと今から行っても間に合わないぞ多分」

「…」

「そうですよね…」

「帰った方がいいと思うぞ」

「そうします……」

少し残念そうだった。本当に真面目なやつなんだな。

「俺も今から行ってもどうせ遅刻だし送っていくよ」

それからすぐ一緒に電車を降り、反対側の車線へむかった。

入口から1番近い席に二人で座った。

「何組?」

「3組です…」

隣のクラスか。

「俺は2組」

電車には慣れていなさそうで、きっといつもは歩いてきているのだろう。

具合が悪いから電車を使ったんだろう。

本当に真面目だな。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

美人に膝枕をされたいただの男子高校生。 @saku0406

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る