上手い言葉の使い方

どこにでも令嬢の死を匂わせているものの、はっきりと『令嬢の死』が書かれた場面はない。
眠る令嬢の顔の横に畳まれたレースのハンカチ。
顔にかけられたハンカチが畳まれて置かれているのだと読んでいた私は、その時点で令嬢が死んでいると誤解して読んでいた。
だから、その次にあった「深い眠り」「迎えに来る」も、勝手に死を連想していた。
一番の悪は王妃の暴走だとも思っていた。
それすらも違った。
全体を通して「思い込み」が引き起こした悲劇。
作者の傾向か、この作品にも最後に救済がある。
その最後の救済には、いつも癒される。

12月15日・追文
改めて読んで。
あの暴動シーン、読んだ友人曰く「フランス革命みたいだな」との事。
確かにフランス革命で市民たちが貴族の家を襲うシーンを連想させた。
(むかし、市民が貴族の家を襲う際に「ここはー」などと選択してる場面をテレビでみたことがあった)

狂気って現実でも創作でも、怖いね。