エピローグ

「……あれ、私は、どうしていたんだろう」


 一緒に冒険していた競馬好きのイケオジたちも、そばで倒れていました。

 みんな目を覚まし始めたようです。


「私はどうしていたんだろう。一生懸命倍率を計算してたと思ったら、気を失っていたのか」

「あれ、おいらはどうしてたんだ。酒の飲み過ぎか。競馬をやれなくなるまで飲んじゃ、 おしまいだな。酒はやめよう。」

「僕は、小銭を整理していて。もう今日分のお金は使ってしまったから……。あれ? 最後のレースに賭けれる分がまだ残っている」



「……うーん。あれは夢だったのかしら?」

 雫は首をかしげました。


 しかし、手には、先ほど書いた3連単の馬券購入用紙を持っていました。

 totoも一緒に。


 そう。私たちはギャンブラー。

 どれほど当たらなくて財布が空になり、目の前が真っ暗になっても、なけなしのお金を見繕って馬券を買ってワクワクしたいものなの。他のどんな楽しい賭け事よりも、競馬に勝る興奮はないのよ。

 totoなんかやめよ。


 やっと中山競馬場に帰って来れて、私本当にうれしい。


 知恵を使ってオッズを計算して、折れない心でお金を握りしめ、勇気を出して大穴を買う!

 自分の今までの経験を信じて!


 そう、今日は有馬記念!


 一年に一度の大勝負!


「私は、大穴に全てを賭けるわ!!」

「私も!」

「おいらも!」

「僕も!」


 泥沼雫とオジさんたちは、万札と小銭を握りしめ馬券売り場へと向かうのでした。


 皆さんの信じた夢はきっと叶う



 以上で泥沼雫の冒険は終わりになります。


 ショウモナイショウセツのウィニングラン

 最後までお付き合い頂きありがとうございました。


 空にかかる虹は無いので、皆様の星を輝かせて頂けると幸いです。


 これからの皆様のご武運をお祈りしております。

 メイクドラマ。有馬記念。

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オッズの魔法使い 米太郎 @tahoshi

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