初夏読み耽る我は夏を待たずに死す
- ★★★ Excellent!!!
やられてしまいました。
朝一に読んだことを後悔するほど、心がざわついています。
少女たちの、輪郭の定まらない曖昧な人格、狭く閉鎖的な学校という社会、恋愛の汚らしい機微……それら全てが高次元で表現されています。
さらりとした、非読みやすい文体であるにもかかわらず、先に述べたような作者様の筆力により、本作、高い粘度に仕上がっております。まるで原油の中に手を突っ込んでいるような感触がいたします。
生暖かく、いやらしく、どろりとした作品がお好きな方は必読です。