初夏読み耽る我は夏を待たずに死す

やられてしまいました。
朝一に読んだことを後悔するほど、心がざわついています。

少女たちの、輪郭の定まらない曖昧な人格、狭く閉鎖的な学校という社会、恋愛の汚らしい機微……それら全てが高次元で表現されています。

さらりとした、非読みやすい文体であるにもかかわらず、先に述べたような作者様の筆力により、本作、高い粘度に仕上がっております。まるで原油の中に手を突っ込んでいるような感触がいたします。

生暖かく、いやらしく、どろりとした作品がお好きな方は必読です。

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