青い空を見上げたら、君も見ていると思うから

人の願いや思いは、ときに強く重く、人を縛ることもあるが、結びつけては繋ぐこともあることを思い出させてくれる。

幽霊だとおもっていたら、祖父の旧友で、人で、不老不死で、主人公の祖父の姉の恋人だったという。
清の謎が明かされていく展開は驚きとともに面白さでもある。

主人公視点の、ですます調で書かれているからか、本当にこういうことが以前あった体験談が語られているように思える。

人に懐くタヌキがいい。
抱っこしたくなる。

祖父が亡くなるのに、かなり時間がかかっている。
神様タヌキにお願いすると、代償の命はすぐに取られる訳では無いらしい。
清も、一月七日に倒れて入院してから夏になるまでずっと入院していた。
そう考えると、千代が清が死なないよう願ったのは十二月くらいかもしれない。

神様タヌキさんも、代替わりがあったのかもしれない。
ずっと同じタヌキが神様をしているわけではないのだろう。
神様タヌキは願いを叶えてくれるけれど、叶えるとどうなるかまでは考えが及んでいない。このあたりが、動物のタヌキらしい一面かもしれない。

読後にタイトルを読むと、素敵な話だったと、また思える。