それから
小さい頃、クラスの中心グループに入る為にそれまで仲良くしていた友達を裏切った事があった。
この前、同窓会があったけど、その生徒だけが姿を見せなかった。
久しぶりに私の黒い過去を思い出した。
逢妻悠太の絵の前に立つと、いつも忘れていたことを思い出し、懺悔させられる。
彼を見た人は誰もがこう言う。
『絵を描く為に生まれてきた男』
噂では上京する時も、芸大の入学式の最中も、いつでも彼は絵を描いていたという。
それでも尽きることのないアイデア。
もはや狂人。
一体、どれほどの創作意欲を持っているのか。
「先生」
私は芸大の中にある彼のアトリエを訪れた。生徒に教えることを免除された特別待遇でここで彼は毎日作品と闘っている。
「どうすれば、先生のように絵が描けますか?」
彼は私の方を見て、何も言わなかった。
「真っ白なキャンバスじゃないと……」
「え?」
「真っ白なキャンバスじゃないと、息ができないんだ」
そう言っている間も、彼は筆で私の顔に色を塗り続けていた。
フィボナッチの兄弟達に、ささ…… ポテろんぐ @gahatan
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