漂う嘘の文字

美しい文章で彩られた、けれどふわりと核心を掴ませずにすり抜けていくような、切なくて苦しいような。
読み終えて、「ああ」と一言が出てくるような。

嘘というものがある。
口から出た言葉は、決して戻せるものではない。紡がれて消えて、けれどきっとどこかに刻み込まれて残っている。
そうして残ったものは、めぐりめぐってどこへ行くのだろう。

ぎゅうっとなります。
けれど決して悲しいばかりとか、悪いばかりとか、そういうものでもないのです。
ほろほろと涙を流して見終える映画のような、そんな作品でした。
ぜひご一読ください。