概要

顔が焼かれ無惨に刺殺された女性の遺体が見つかった。高木達警察は捜査を進めるが、目撃情報もなく被害者の女性の身元すら判明できずにいた。そこに、匿名の情報が高木のもとに届いた。高木はその情報をもとに、ある家を訪れた。その家は四人の男女が住むシェアハウスだった。しかし、そこはただのシェアハウスではなく、精神疾患を抱えた四人が共同生活しているコアという家だった。コアは精神科医の肥後院長が発案した、集団セラピーの場であった。高木はコア住人に事情を訊くとコアに最近入居した“心”という女性がいたことを知った。その女性は、コアの住人の喜内が誘って入居したが、事件前に行方不明になったと言う。“心”は被害者女性の背恰好と似ており、彼女の情報を集めようとするが、コアにも、彼女が働いていた店にも全く情報がなかった。わかったことは、笑顔が素敵で優しい少女だったということだけ。再び捜査が頓挫しそうになった頃、安斎という男が自首をした。凶器、動機もあり、事件解決と思われたが、高木は納得できなかった。そんな高木に、コアの住人の哀川が捜査に協力を始める。哀川は最初に匿名で情報を提供した人であった。週刊誌記者である哀川は、自分が取材した新型うつ病の女性が、ある薬を飲んで自殺未遂したという情報掴んだ。そこから薬の出所を辿ると、大学病院の研究所に辿り着いた。そこでは感情に作用する薬を開発しており、違法に実験を繰り返していた。被験者は“心”であり、紹介したのは肥後院長であった。謎が深まる中、“心”と親しかったコアの住人の楽が、自分の部屋で“心”のメッセージビデオを見つけた。そこには、“心”の本当の姿が映っていた。“心”は生まれつき感情が表現できない子であった。母親に育てられたが、ある時母親が蒸発し、須田という会員制クラブオーナーの男に拾われた。須田はのちに“心”が自分の子であることに気がつく。須田は“心”の感情欠落を治すべく肥後の元を訪れた。しかし肥後は過去に精神疾患患者に自分の妻を殺されており、それ以来自分の患者を利用してきた。“心”も肥後のターゲットとされ、研究所に保管されていた感情を動かすコアドラッグを盗む協力をさせられた。肥後のコアドラッグの実験はコアで行われており、“心”はいけないと思いつつも肥後の支配を逃れることができず、コア内で密かにコアドラッグを食事に混ぜていた。怒ることのできなかったコアの住人の怒賀がコアドラッグを内服し、怒りをコントロールできず、結果的に“心”を殺してしまい事件が起きてしまった。高木はその動画を証拠に肥後を追い詰め逮捕する。

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ハートが眠る街 犬飼 圭 @Inukaikei1990

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