第2話魔力支援隊の曙
ルーテシア「昔々、それはとある防衛戦でのお話です」
サリア「ふむふむ」(瞳をキラキラ)
ルーテシア「我がカスタル王国は聖域――『アブサラストの平原』へと至る道を幾つも有しそこから流れ込む肥沃な魔力からとても豊かな国だから良く他国達から狙われました。今でも女神シィラ・ウェルネンスト・カスタル様やオニヘビ種族達が血を吐くような外交を繰り広げて護っておりますが、侵略された事も幾つかあるのです」
サリア「うちの国はやっぱり大変なんですね……」(下を向く翼)
ルーテシア「聖域の入口や高度文明の遺跡や魔力に満ちた大地や清潔な水源等、世界中から見れば魅力的な場所しかありませんからね。こればかりは仕方ありません。この戦いが発生したのは環由暦六百二十年、隣国ヘルオスとの戦争ですね」
サリア「どんな風に侵略されたのですか?」
ルーテシア「カスタル王国の南東から真東付近までは霊峰イリステアと貴女方ティーダ・ドラゴン種族の防御があり侵略は不可能。よって北東方面の山脈から侵略をしてきたのです。我がカスタル王国軍もこれを察知してすぐに防衛戦線を展開、山脈越えをする敵軍を討とうとしました。しかしここで問題が起きました」
サリア「どんな問題ですか?」
ルーテシア「黒魔法の攻撃部隊が魔力を回復している最中に、前線部隊の矢が切れてしまったのです。当然矢が無ければ弓は射てませんよね?」
サリア「確かに……」
ルーテシア「相手に攻撃と再編成の隙を与えてしまい、これを幸いと更に侵攻して来ました」
サリア「それで……どうなりましたか?」
ルーテシア「結果で言えば我がカスタル王国の勝利でした。とある白魔導士様――『ルオン・A・マーシアス』様の尽力にあるものでした。彼は魔力と話せる次元の白魔導士で、空中に拡散しつつあった魔力を導き適切に分配してすぐさま攻撃出来るようにしたのです。その時がこの魔力支援部隊が生まれた瞬間とも言えました」
サリア「凄いんですね、ルオン・A・マーシアスさん」
ルーテシア「とても凄いのです。だから絶対に名前を覚えるように。この白魔導士様の名前を憶えて無い術者や国家が魔力がどうたらとか支援がこうとか言っていると真面目に滅ぼしても良い位です。というか私が滅ぼして何なら国ごとさらし首に……」(ブツブツ)
サリア「あ、あのぅたいちょー……?」(ヤバい、あれ本気の目だ)
ルーテシア「ああすみません。でもそれは本当です。まぁとにかくルオン様がご尽力して下さり何とか敵を破り、彼は女神シィラ様から貴族の地位を賜る事になった時、一つ提案をしました」
サリア「どんな提案ですか?」
ルーテシア「『今後このような事態が起こるのは必須。よって魔力を適切に分配出来る部隊を用意するべきです』と。女神シィラ様もその提案を是とし、ここに魔力支援部隊が正式に誕生したのです」
サリア「やっぱり凄いですね、ルオン様」
ルーテシア「それは勿論。という訳で次に続きます」
サリア「了解で~す!」
良くわかる、第七魔力支援部隊について なつき @225993
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