「障害をもった女性を性風俗に従事させている店がある」との噂を聞きつけ、女性権利団体の調査員である主人公は、単身、その店に乗り込みます。
しかしそこで主人公が出会ったのは、障害のある女性たちが<アクター>として遠隔で操作するセクサロイド――<ドレスロイド>たち。
インタビューを進め、従業員らと話をするうちに、主人公は女性たちが強制されて働いているわけでなく、自ら望んでこの道を選んだのだと知らされます。
女性権利・障害・性的マイノリティ。現代でも近年ようやく活発に議論されるようになってきたこれらの問題を、SFの世界観で斬新かつ鮮やかに描き出したこの作品。
非情にセンシティブであるが故に扱いづらく、テーマとして取り上げるには大変な勇気が必要だったことでしょう。そこに真っ向から挑み、これだけ完成度の高い物語として仕上げた筆者様に心からの敬意を表します。
どんなヒトにも「自分らしく生きる」権利があることを改めて思い知らされる、単なるエンターテイメントには収まりきらない、多くの方の目に触れて欲しい名作です。