近衛大将からの案内状 本編「錦濤宮物語 女武人ノ宮仕ヘ或ハ近衛大将ノ大詐術」を登場人物がダイジェストで紹介しております。

鷲生智美

左近衛大将、「錦濤宮物語 女武人ノ宮仕ヘ或ハ近衛大将ノ大詐術」を語る。

やあ、読者諸賢、ごきげんよう。


私は、小説の中で、朝廷から左の近衛大将を拝命している、名を佳卓かたくという者だ。


小説のタイトルとURLは下記の通りだ。

「錦濤宮物語 女武人ノ宮仕ヘ或ハ近衛大将ノ大詐術」https://kakuyomu.jp/works/16816927860647624393


この小説は、平安時代をモチーフにした世界観でね。作者の鷲生智美は京都に在住してるから、京都御所をはじめあちこちに取材に出かけたものだよ。少しは小説の描写のリアリティに活かされているといいのだが、どうだろうかねw


タイトルの「錦濤きんとう宮」とは、帝の代替わりにあたって新たに東宮となられた十歳の姫宮のことだ。父君が無実の罪で配流され、京から少し離れた「錦濤」という街でお育ちになられたゆえ、このようにお呼び申し上げる。


「錦濤」は、「美しい波濤の先にある港町」という意味の国際港湾都市だ。ここでお育ちになった姫宮は広い視野を持っておられる。聡明で明るく活発で愛らしい少女だよ。


私としては、その護衛の女武人・翠令すいれいについて大いに語りたいね。


冒頭部分。錦濤の姫宮をお迎えに上がった私は、翠令を激昂させてしまうのだが……。いや、全くこれは翠令が正しい。

翠令は、幼い頃からお守り申し上げて来た姫宮への愛情が深く、そして真っ直ぐな気性の女性だ。そして武人であるから雰囲気もキリっと凛々しい。とてもカッコイイ女君なのだよ!


私は他人から武芸や学問の優秀さを讃えられるが、もちろん自分のことを完全無欠な存在などとおごりたかぶってなどいない。だから、私が間違っていた時に、命がけでも諫めてくれる存在を求めている。

翠令のように剛毅な部下を持てたことを喜びに感じ……そして……強くて優しいこの魅力的な女武人に心惹かれるようになる。


いや……自分の恋を人に語るのは気恥ずかしいものだね。ここは、皆さまに本編でお読みいただこう。


むしろ私と翠令よりエモいのは、白狼はくろうと竹の宮の姫君の取り合わせかもしれない。


白狼というのは、白人の血を引く元盗賊だ。京の都で私と捕り物劇を繰り広げたライバルだよ。


竹の宮の姫君は先々帝の皇女であられる。まがまがしいほど美しくていらして、ゆえに男に襲われ心に深い傷を負われた。それで、京から離れた竹林の中に宮を構えて隠遁していらっしゃる。


私は、ようやく私の配下になった白狼を、竹の宮に仕事で遣わしたのだが……この元盗賊と高貴な姫君との間に思いがけない心の交流が生まれた。

私から見ても、二人が互いに互いを想う様はとても美しいと思っている。


もっとも。錦濤の姫宮の立太子の礼も、私と翠令との仲も、白狼と姫君の間も、朝廷の大きな政争をくぐり抜けなければならなかった。


この政争……色んな意味で私の不徳の致すところではある。申し訳ないことだ。姫宮はご自分が可愛げのない子どもだったせいだとおっしゃるし、翠令も自分が余計なことをしたために事態を拗らせてしまったと反省している。

けれど、本編をお読みいただければわかるが、これは私と双璧を為す円偉えんいという男性の、歪んだ愛憎が引き起こしたものだ。

円偉にとって、私は重要な存在だった。私がもう少し彼の思考回路を読み切っていれば……あんな大事になる前に防げたかもしれない。


窮地に陥った皆を救うために、翠令が私を頼って来てくれた。なかなか苦吟したが、まあ何とか策を思いつくことができた。一種の詐術なんだがね。


この策を実行に移すのは、翠令と竹の宮の姫君に託さざるをえなかった。女君達の強さに賭けるしかなかったこと、男として忸怩たる思いがあるね。錦濤の姫宮にも将来のプレッシャーになるだろうし。


まあ、そのようなわけで、この物語は、美しき女君達が困難を乗り越える展開となっている。

お読み下さるあなたに彼女達がいかにイイ女かが伝わっていれば、これに勝る喜びはない。なにしろ、私は、男というものは女君を輝かせるために存在するものだと思っているからね。

読者諸賢には、彼女達に惜しみない賞賛を送ったうえで、その後、少しばかり白狼や私にもささやかな労いの言葉をかけて貰えれば嬉しく存ずる。


ともかくこの物語は、大きく動いて最後はハッピーエンドだ。

恋、政争、剣戟と盛りだくさんだが、読後感は良いものであるはず。

全90話と分量はあるが、是非とも読みに立ち寄っていただきたい。錦濤の姫宮やその周囲──私や翠令、その他の近衛の麾下、白狼と姫君、多彩な登場人物があなたに是非お目にかかりたいと願っていると、私からお伝え申し上げる。


それでは、本編でお会いしよう!

「錦濤宮物語 女武人ノ宮仕ヘ或ハ近衛大将ノ大詐術」https://kakuyomu.jp/works/16816927860647624393

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