死にたい気持ち(随筆)
西しまこ
死にたい気持ち
ダークサイドな随筆です。
わたしはずっと小さい頃から死にたい気持ちを抱えたまま生きている。
そして、ずっと「みんな死にたいけれど、頑張って生きているんだ」と理解していたけれど、そうではないことが分かった。「死にたい」と思うこと自体がおかしなことだと、二十歳くらいのときに気づかされた。そうか。みんな死にたいわけではないんだ。
それは大きな発見だった。
自分の命は自分でどうにかしていいのだろうか。いけないのだとすれば、なぜいけないのだろうか。
それは大きな命題で、今もなお答えがでない。
ずっと「死にたい」と思うこと自体に罪悪感を覚えていた。まるで欠陥人間であるかのように。だけど、ある地点から「死にたい」という気持ち自体に罪悪感を覚えるのはやめた。そう思う自分自身は受け入れることにした。
それでいいのだ。
わたしは結局何かの繫がりの中で生きていて、その繫がりから完全に個(もしくは孤)となることはあり得ない。なぜならば、人間だからだ。
自ら死ぬということは、その繫がりを自ら断つということ。
それはとても難しい。
永い間生きてきて、その繫がりは複雑多岐なものとなっている。
それでもときどき、ほんとうに死にたいと思うことがある。
気持ちの整理がつかない。
そもそも、感情をコントロールするのが苦手なのだ。そういう特性だから。
嵐のようなその感情が噴出して、もうどうしようもなくなる。
酩酊した状態で、ただ、消滅を望む。
転生ではない。
消えたいのだ。
生まれ変わりたいわけでもない。
ただ、消えてしまいたいのだ。
跡形もなく。
死にたい気持ち(随筆) 西しまこ @nishi-shima
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
同じコレクションの次の小説
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます