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目覚めると、今日は快晴。
青空に輝く太陽、乾いた冬の匂いがする。
生活保護を受給するようになって、数ヶ月経つ。
仕事は気が向いたらやる、ずっとこのままでも良いとすら考えている。
自分は働く事に向いていない、少なくとも今のこの社会では。
生活は元々地味だった。趣味といえば読書、たまに映画くらい。なので今も別に不自由無く暮らせている。
机にある新聞の切り抜きに、ふと目がいった。
以前勤めていた会社に、何者かが巨大ニシキヘビを放り込んだという記事だ。
社長を始め、社員皆が死亡もしくは重症を負ったという。
詠美は爽やかな笑顔で、その数ヶ月前の記事を眺めた。
痛快、優越感、達成感等の感情でいっぱいになる。
家事を済ませ、しばらく読書した後、詠美はまたあの公園へ行った。
林檎の木には林檎の形をした透明な器がぶら下がっていた。ゴーストアップルだ。
詠美は目を見開き、駆け寄った。そして長い間、それを眺めていた。
あの日、十年前と同じ驚きや喜びを感じながら。
ゴーストアップル めへ @me_he
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