「倚りかからず」読書記録(221211)

西しまこ

「倚りかからず」『倚りかからず』茨木のり子(ちくま文庫)

   倚りかからず



もはや

できあいの思想には倚りかかりたくない

もはや

できあいの宗教には倚りかかりたくない

もはや

できあいの学問には倚りかかりたくない

もはや

いかなる権威にも倚りかかりたくはない

ながく生きて

心底学んだのはそれぐらい

自分の耳目

じぶんの二本足のみで立っていて

なに不都合のことやある


倚りかかるとすれば

それは

椅子の背もたれだけ



*****


茨木のり子の詩、とても好きです。

この本の中ではこれが一番好きだけど、「時代おくれ」という詩も好きです。

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「倚りかからず」読書記録(221211) 西しまこ @nishi-shima

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