死して尚、存在し続ける意味

主人公のアーデルハイトは残虐な皇后。しかし、その行いは皇帝のため、
国のためだった。ただそれは皇帝に理解されず、彼女は処刑されてしまう
のでした。

死んだはずの彼女は森の中で目を覚まします。そこは冷たい棺桶の中。
「魔王」に拾われた彼女は、生前に持っていた神聖力(転じて魔力)に
よりデュラハンとなっていたのでした。

死を望んだにも拘わらず、図らずも目的を得てしまったアーデルハイトは
魔王のために尽くすことを誓いますが、魔王配下の魔族たちと関わる内
「生前」では経験しなかったことを経験し、少しずつ自分を見つめ直す、
そんなストーリー。

生前の残虐性は残しつつ、デュラハンと言う魔族として魔王のため、
国のために生きる彼女が、何を感じ、そしてどう変わっていくのか。
設定からしてぶっ飛んでいて、読むほどにそそられる物語性があり
ます。アーデルハイトの「愛の証明」をハラハラしながら見守りたく
なる秀作。オススメです。