チェコスロバキア製の小銃・スコーピオンを片手に戦場を這うのは、地味なOL・文川さん。というのも、銀縁眼鏡の紳士な上司・網野さんに「サバゲー」に誘われたからだ。
ーこれ、楽しいか?―
誘ってくれたところ申し訳ないと思いつつ「戦場」での叱咤にも引く彼女。
ところが歴戦の狙撃手・網野さんとチームが分かれてしまい遂には腹を括るしかなくなって……!
サバゲーの疑似体験をさせて頂いた気分です。
文字しか打てない自分にも、引金を引く時は来るか!?
サバゲーに興味のある方もない方も経験者の方も。
この現実の「戦場」で飛び交う檄も用語も覚醒していく彼女も楽しい。
ハマること間違いなしです♪
本作の主人公は、ちょっと気弱なOLの『文川さん』。
根暗な性格が仇となり、会社内でのランチタイムは専ら孤食です。
そんな彼女に気を使ってか、面倒見の良い『網野さん』という上司から「今度の休み、一緒に来てほしい場所がある」とお誘いの声がかかります。
いくら厚意で誘われても、仕事仲間とのプライベートでの付き合いは面倒なものですよね。ましてや上司が相手ともなれば猶更です。
接待ゴルフ、接待麻雀、ノミニケーション……考えるだけで憂鬱になります。
しかし、事態は彼女の予想だにしない急展開。
上司に連れられ向かった先は、なんと銃弾飛び交う戦場でした。
そうです。サバゲーです。網野さんは無類のサバゲー好きだったのです。
仕事の上では紳士を貫く理想の上司も、ひとたび戦場に出れば二桁キルは当たり前の凄腕スナイパー。
これは接待どころか、ガチの殺し合いになること必至です!
戦わなければ生き残れない!
気弱な文川さんは右も左もわからないまま、網野さんから託された愛銃「スコーピオン」を携えて熾烈な戦いに身を投じるのですが――と、内容紹介はここまでにして。
本作の大きな魅力は、なんといっても「戦場の気弱なOL」こと文川さんの複雑な心境の描写です。
場違いな空間に連れ出されたOLのボヤキと、彼女の目から見た独特なサバゲー文化への冷静なツッコミはなんとも可笑しくて、思わずくすりと笑ってしまいます。
そして銃撃戦で孤軍奮闘するときの心細さと、そこから一転して解放されたときの爽快感には思わず胸が熱くなりました。
知らない世界に飛び込むことへの、大きな不安と少しのワクワクに誰もが共感すること間違いなしです。
是非、ご一読下さい。おすすめです!