最終話 お嬢様は変わらない(三人称)
「それで進展はなかったわけですか?」
「……ないわ」
とある一室にて花蓮の言葉を聞いた花蓮のお世話係こと荒木さんはため息をつく。
「つまらないですね」
「なんで私が面白さを提供する必要があるのか疑問なんですけど!?」
花蓮は絶叫するが荒木さんはそんなことも気にも留めず主人に対し爆弾発言を仕掛ける。
「個人的にはとっととくっついて欲しいんですが……」
「貴女の感想は求めてないわよっ」
「いや、お嬢様が好きな人に告られて恥ずかしくなって振ってしまうっていう変態なのは私も存知あげておりますよ?」
「貴女から私への敬意が一切感じられないのだけど……」
「いやでも、さすがの私も私に送るはずだったメッセージを雷太様に送って愛の告白をしたようなものなのに、まるで進展がないのはさすがに引きましたよ? お嬢様はなにがしたいんですか? 我慢プレイなんですか?」
早口でまくし立てる荒木さんを前に花蓮の顔はドンドン赤くなっていく。
「違っ、私はそんな変態じゃないしっ」
「では、早く雷太様と合体するなりなんなりしてくださいな」
「セクハラメイドがここにいるわ! っというかなんで貴女も雷太と同じようなこと言うのよ。流行ってるの、それ?」
「いえ、雷太様に卑猥な言葉を教えたのは基本的に私ですので……」
「毎日雷太から行われるセクハラ発言の元凶が身内にいたっ!?」
「事件は今起きているんじゃない、お嬢様の部屋で過去に起きていたんです」
「勝手に人の部屋で犯罪を起こさないでくれる?」
至極もっともな花蓮の意見だが荒木はそれにも動じず淡々と返す。
「お嬢様があまりに奥手なので」
「ウグッ」
荒木の返しに花蓮は思い当たる節がありすぎるのか腹を抑える。
「それで本当に進展はなかったんですか?」
「……なかったわ」
「……残念です」
しかし荒木は見落としていなかった。花蓮の顔が真っ赤に染め幸せそうに唇に手を当てていることに。
「(本当に素直じゃないお嬢様ですが……今日くらいは素直になれたようですね)」
少し成長した主人を見て荒木はそんなご主人様に気づかれないようにこっそりと笑みをこぼすと、
「(とは言えキスで止まらずその後もやって欲しかったですが……お嬢様はヘタレなのでしょうがないですね)」
少しだけ残念そうな目を向けるのだった。
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あえて正直に言いましょう。
打ち切りであると……。
うん、本当にすいません。浮かばなかったんです。あれ以上。ってことで完。本当にすいません。
隣の家の俺が大好きな美少女金髪お嬢様から突然俺のことが好きだというメッセージが届いた……。 タカ 536号機 @KATAIESUOKUOK
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