特別な場所に身を置く主人公たち。夜空を見下ろしながら一局に興じていた。儚く彩る大輪を視界に収めながら、人類とは隔てられた存在として描かれている視点が味わい深く、かつ斬新である。花火と盤上。爆ぜる響きと駒音とが交錯するシーン、あたかも臨場感さながらの心地にさせてくれる優れた筆力。一度はこんな素敵なシチュエーションで指してみたい。将棋を知らない方でも読みやすい、スペース視点での新感覚ファンタジー。おすすめです。
花火と将棋。一見なんの脈絡もないように思うけれど、読み終わってこんなに花火を感じる将棋の指し方が、かつてあっただろうかと思いました。高揚感。感動。確かに、盤上に大輪の華を咲かせる素晴らしい一局でした。
将棋いいですよね!私も将棋大好きです。ただ、この作品にはあまり将棋の細かい話は出てきません。将棋を知らない方でも楽しめるかと思います。作品に出てくる登場人物の機微、将棋盤を媒介にしてやってることのスケールのデカさなど見どころたくさんありますので是非読んでみてください。