第8話 推し用ですか?

 本日、仕事後に行った、某イオン系スーパーにて。


 夫は疲れ切った為、子供と車で先に帰ることにし、私は少し服でも見てフラフラしたあと家までウォーキングして帰ることにした。

 駐車場まで二人を送って行く最中の会話である。


夫「百均に行こうと思ってたんだよね」

私「上にあるよ? 何か買っておこうか?」

夫「神棚を買おうと思って」

私「神棚……?」


 神棚……。


 最近は推しを祀る為の神棚を買う人がいてね、これが推しを祀る用の、推し活用の神棚です……。

 あったなそんなニュース。確かにあった。


 夫は信仰心で神棚を買うタイプではない。サンリオのシナモロールのぬいぐるみか、ベビーメタルの写真でも置くつもりか。推し活用の神棚なら、まぁ百均でも売ってるのかな。


私「神棚なら自分で選んだ方がいいんじゃない」

夫「そうねー」

私「推しでも祀るの」


 立ち止まってこちらを見る夫。


夫「カビラナ」

私「?」

夫「カビラ、ナ。……? カ…カ、ビラ、、ナ」


 つっかえそうになりながら危うい記憶を頼りに訴える姿は必死なペンギンのようでどこか可愛かったのであるが。

 これ、言えてないやつ……。


 …………。


 携帯でカラビナと神棚の写真を検索してみせる。


私「カラビナ……?」

夫「そう、これ!」


 これ誰も悪くない、というかどっちも悪い(笑)

 私の聞き間違いと夫の言い間違いがあわさるとあさっての方向に行くな……。


 神棚=カラビナ。


 ちなみに、「推しを祀る用の神棚」は実際百均に売っているようだ。

 推しのぬいぐるみをぶら下げる、「推しカラビナ」という単語もあるようだ。


 マギラワシイ!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

日々、聞きまちがい 銀色小鳩 @ginnirokobato

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ