第258話 魔導具を作ろう!⑤
腕輪?籠手?のような防具にすることに決定し、お次は材料を決めていこう。
基本的には『攻撃を感知して簡易的な結界魔法を展開する』という物なので魔法を付与することが出来る物をメイン材料に。
さらに防具自身にも防御力を持たせよう。聖女様が装備することを考えると、それなりの防御力を持ちつつも軽くないとダメそうかな。
となると………『ミスリル』メインの『アダマンタイト』の合金辺りか…。
いや、ソレだとちょっと重いか。………ならアダマンタイトを液状に加工してから塗布する、アダマンコーティングにしようか。
うん、良いんじゃないか?
んで付与する魔法は…
結界魔法と感知系魔法、あと毒無効も付けておきたい…が無理。なら自動状態異常回復魔法…これならオーケーかな。
んで腕輪本体への硬化魔法と盾魔法…この二つは緊急用だな。
出来れば逃走用に敏捷上昇とか体力上昇とかも付与したいところだけれど…ソレはやり過ぎか。
…え?既に国宝級を越えて伝説級の魔導具になっているって?それなら迷宮ダンジョンから出てきた
…で、だ。
肝は
…難しい。
非っっっ常に難しい。
何が難しいのかというと、その範疇…というか『どこから』を適用するのか、といところである。
『ソレ』が敵意からなのか、『攻撃』と認識してからなのか?ナイフなどの刃物なのか、素手での攻撃も含むのか?などなど事細かにプログラム的に入力しなくてはいけないワケである。
逆を言えば、『プログラム外の事柄には反応しない』となるワケだ。
そしてその事柄の全て…なんて当然考えきれるワケもなく、仮に全てを思い付いたとしても、入力可能な容量を遥かに越えてしまう。
…ということは、だ。
「うん、
…諦めました。
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「よしっ、出来た」
『
出来上がったのは『ミスリル』をメインに成型した籠手のような腕輪。液状にしたアダマンタイトでコーティングすることで防御力とアダマンタイトの黒銀のような色により『武骨さ』を併せ持たせることに成功。
装飾の代わりに魔法文字を刻むことで、『
起動する魔法は三つ。
結界魔法。
起動させれば腕輪を中心に半径二メートルほどの半円状の結界を展開。物理・魔法に対して非常に強固なモノになるようにした。
一度起動したら一時間ほど展開。これは逃走する時間を稼ぐために長く設定した。
状態異常回復魔法。
起動させれば呪いすら回復する非常に強力なモノを用意。
そして盾魔法。
結界魔法が破られた時の非常用のモノだが、任意でも使用可能。
大きくはないが六角形に近い型に展開された赤い魔力の光が術者を護る。それはまるでビームシールげふんげふん。
「………………そうだ。結界も緑光の粒子っぽくすれば…」
いったいどこのGNフィールげふんげふん………止めておくか。
閑話休題
とまあ、この三つの魔法を入力インプットした。
さらにこの腕輪には生体認証…というか魔力認証システムを採用。これで腕輪は聖女本人にしか使用できなくなるので、他者による悪用の心配はまあ失くなるのではなかろうか。
そして肝心の『使用コスト』。
これは結構悩んだのだが…結果、電池代わりに魔石交換式を採用。…で『オークの魔石程度で三回の魔法使用可能』というようにした。
ちなみに魔石は充電式ではないのでいちいち新しい物を用意しなくてはいけないのだが…
「ま、聖女様ならオーク程度の魔石くらいすぐに用意できるだろう…」
…決してフラグではない。断じてフラグではない。
いや、護衛の聖騎士さんとかがすぐに取ってきてくれるでしょっ?ってお話である。
ホント、それだけである。
…と、まあ、交換は手間ではあるが、このくらいの不便はなんとも思わないくらいの物が出来たのではなかろうか。
俺もアイデア出しこそ面倒ではあったものの、あとは方向性や性能などを決めてスキルにお任せしての作成は楽しかったりしたし…。
まあ彫刻刀で魔法文字を刻むのは細かくて本当に面倒ではあったが…。
とりあえず満足のいく物が出来た俺を朝日と鳥の囀りが迎えてくれ………………っ!?
「あ…朝………だとっ!?」
まさかの完徹である。
もちろんというかなんというか、公休の目的である偵察への出発日を一日ずらしたのは言うまでもない。
二度目の転生は傍若無人に~元勇者ですが二度目『も』クズ貴族に囲まれていてイラッとしたのでチート無双します~ K1ーM @k1m1101
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