貴族社会を舞台に繰り広げられる悲喜こもごもの人情劇

「始まりは偽装デキ婚から」というライトなタイトルとはややイメージの異なる、
貴族社会の恋愛や人間模様を描いた群像劇です。
淡々と語られますが、リアルで実に興味深い。
シェイクスピアの喜劇のように貴族や使用人の思惑が交錯し、
人間模様が生み出すドラマが紡がれます。

没落貴族令息ながら真面目な好青年ラルフは、悲劇の令嬢ゾフィーの婚約者となる。
ラルフにもゾフィーにもそれぞれ背負うものがあり、人生があります。

賢い者は賢く、愚か者はさらに愚かに、
こういうやついるよな~と思わせる展開。
恋愛ジャンルですが、甘ったるいわけでもドロドロしているわけでもありません。

冒頭で貴族家や固有名詞がたくさん出てきますが、一気に全部覚えなくても大丈夫。
登場人物は個性豊かなので、読み進めていれば自然に一致しますよ。

恋愛小説の枠には収まらない、悲喜こもごもの群像劇をぜひのぞいてみてください!

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