アルバイト(ライター)募集

照明が落とされ薄暗い会議室の中で、気怠げに座る男達。

その中でプロジェクタが自分の存在を主張するように淡く白幕を照らしている。

映っているのはライターの顔写真。日記。感想数の傾向を表したグラフ。

男達は白幕を見ながら話していた。


「今回のライターは2週間持たなかったか」

「ちょっと感想数増やしすぎたか?」

「次回は感想数をもう少し減らして、一月完走させてみるかね?」

「完走させると予算がな」

「50万くらいでサンプルが手に入るなら安いもんだろ」

「まあ、よく燃えてくれた。いいサンプルだったな」


照らし出される資料の上部にはタイトルが示されている。

『社会実験検証:SNS炎上が人の精神に及ぼす影響』


検証終了対象リストに一名を追加し、会議を続ける。


「さて、次のライターを探さないとな」

「他のライターもどのくらい持つかわからんしな」

「日記全部読んだ対象をピックアップした」

「よし、募集をかけよう」


募集案内を送付して、会議を終えた。



『アルバイト(ライター)募集

日記を書くだけの簡単アルバイト!募集中!』

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ライターの日記 花里 悠太 @hanasato-yuta

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