誰にも止められない、強い風が遠くから吹くように

現代ファンタジーである。
ちょっと不思議。
ロマンの息吹を感じた。

インコは手乗り文鳥ではないので、なかなか懐かないと思う。
肩に乗るほどに懐いていたので、雛鳥から育てていたのかもしれない。


夏美の友達、はるかは至極真っ当なことをいう。
はるかは家で、片付けの手伝いをしている子なのだろう。
しかも一緒に探してくれる。
なんて友達思いで、できる子なのだろう。
ひょっとすると、はるかには弟や妹がいるのかもしれない。

チッチは境内から飛んでいってしまう。
夏美の想像どおり、チッチは猫に食べられてしまったと邪推する。
でも、チッチは夏美にお別れがいいたかった。
だから神様の力を借りて姿を表し、海の向こうへと飛んでいった。
境内はあの世とこの世の境であり、突然現れたあの海は、あの世を表しているのかもしれない。

夏美はチッチとの別れを経て、少し大人になったかもしれない。