至って普通のOLである主人公・糀谷胡桃。
彼女は日々のストレスをお菓子を作ることで発散させていた。
しかし、消費を考えると作るものには限界もある。
そんな中、勇気を振り絞ってお隣さんへおすそ分け。
そこから始まる甘いお菓子がつなぐ、素直じゃない隣人との甘い恋模様。
大人の恋愛模様を丁寧に描いている本作品。
子どもとは違う、色んなしがらみがある中で恋愛だけでなく自分自身とも向きあう主人公。
今までの安定した生活から自身の夢へと踏み出すまでの葛藤や、振られるのが怖くて「仲良しの隣人」という関係性を変える勇気が出ない悩み。
共感できる、という人もいるのではないでしょうか?
全99話と話数はありますが、文章がとても読みやすくサクサク読めます。
また作中に様々なお菓子が登場し、美味しそうな描写も必見です!
失恋した若いOLと、ぶっきらぼうな甘党小説家のラブコメです。
物語は会社員・糀谷胡桃が恋人に振られたことをきっかけに、隣に住む変人小説家・佐久間凌に手作りタルトを差し入れるところから始まります。
作者はこの出会いを通じて、ふたりの距離が徐々に縮まっていく様子を巧みに描いています。
佐久間も胡桃も恋に対してはこなれていないというか、その辺の小学生のほうが上手に恋をしていそうなレベルなのですが、そのポンコツっぷりがコメディ部分として秀逸です。
物語の進行に伴い、胡桃が佐久間にお菓子を差し入れることが習慣化し、ふたりの関係は次第に深まっていきます。
その過程で胡桃は失恋の痛みを徐々に忘れ、佐久間も彼女の存在を受け入れ始めます。
お互いの心の距離が縮まるにつれ、読者も胡桃と佐久間の関係を応援せずにはいられなくなります。
この物語の魅力は、甘いお菓子を通じて描かれる心の変化と登場人物たちの成長です。
胡桃のお菓子作りは彼女自身の心の支えであり、佐久間に対するコミュニケーション手段としても機能しています。
また、佐久間のぶっきらぼうに見せかけた極度の気遣いしいな性格と甘党というギャップが、彼の魅力を引き立てています。
さらに、登場人物たちの周囲には、個性豊かなキャラクターが揃っており、彼らの人間関係も物語の楽しさを増しています。
また、本作には勿論二人の恋の山となり谷となる役目を与えられたキャラクターも存在しますが、そういったキャラクターでも読者の不快感を刺激する性格ではないという点が評価に値します。
余計なヘイトを発生させないため気持ちよく読めるかと思われます。
本作品にはこういった要素が含まれています。
・主人公の胡桃さんが作る、た、食べたい!となるお菓子作り描写
・胡桃さんの作るお菓子を食べてくれる甘党男子佐久間さんの最高のリアクション
・少しずつ縮まりながらも…なじれじれ展開
・みんなの心の声を代弁してくれる有能な〇〇〇〇
第1部が完了した今が最高の読み時です。
魅力的な主人公である胡桃さんを取り巻く環境にドキドキする展開ですが心配ご無用!
最後は絶対にハッピーエンドが待っていることに定評がある先生なので、安心して読んでください!
そして胡桃さん佐久間さんと一緒においしいお菓子を食べましょう!!
わたしはいっぱい食べました!!!
※本レビューは第1部完了時点のものとなります。