あっという間に読みきった…いや呑みきった!

一切飲んでません。
酔っ…てもないと思いますが端から見れば酔ってる…


タイトル通り、いくつもの原罪で数えられるお酒がテーマで進む酒が人類に与えるものとは何かを掘り下げて、しまいには雰囲気にのまれるといった描写に変わっていく所がとても面白かったです。

例えると、映画クレヨンしんちゃんのオトナ帝国の1シーン、とあるバーでウーロン茶を飲んでいたにも関わらずマサオ君が酔っていたことや

近しいものをあと1つ、モブサイコ100での霊幻の誕生日。彼もアルコールなど入っていないにも関わらずドリンクで悪酔いをする、といった具合に酒の類いなど一切口にしていなくても、店の空気感や雰囲気に酔う現象があって、

このお話の裁判の空気、戦争前の空気が特にそれと近しいものを感じてザワつく感覚になりました

酒自体にアルコールという酔いの効果はあれど、酔いそのものは人間の雰囲気や空気でも作り出すことが出来る

ただそれをいつも作ることはできず、まさに酒の力を借りて自分からその雰囲気に飛び込む

酒をなぜ必要としたのかを、泥酔した1人の飲んだくれから憔悴した1人の兵士になっていく様は、酒そのものを責めるのではなく、酒に酔うことを必要とした自分達を忘れていないか?という答に繋がる

ただ結果的に自分達の行いがなんであったのか。火遊びで気づけば朝を迎えたように失敗も原因も酒で消え、結局それも忘れた原因である酒がまた責められていくのかなと想像できました


大変おもしろかったです!
お酒を責めることに着眼点をおいて展開していく成り行きが皮肉な言葉も相まってて楽しめました!
ありがとうございます!

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原罪酒