上編まで読みましたけど、読んでいくほど世界の謎や話の展開が気になっていく作品だと思います。
登場人物の関係や考え方とかも話が進むごとに変わっていくので。その変化も面白いですね。
物語としては、主人公は人類が滅亡してしまった世界で人類復興のために管理AIによって生み出されたアプリゲーの低ランクキャラに転生します。
資材を集めたり、クラフトした武器を使ってモンスターと戦い素材を集めて施設、食料や仲間を生成していくんですが、ゲームならば設定で済んでいたものの、突然記憶なく人格をもって生み出されるなど現実ではありえない事が存在しています。
主人公や仲間は突然そんな世界に身を置くことになり、生きるために戦わなければならないことへの不安などを抱えながらサバイバルをすることになるんですが、当然全てがうまくいくわけではなく、仲良かったキャラが死んだりしていきます。
そんな中で、管理AIの目的や不信感などを話が進むごとに考えるようになり、仲間の死を機に主人公の相棒と二人で管理AIを壊すと決めたところで初編が終わりました。
シナリオをきちんと練っていてシリアスでそれぞれのキャラの心の変化を描く作品だと思いました。
カクヨムではあまり見かけるタイプでないのでつい読み込んでしまいました。
相棒のサンや主人公が葛藤しながらどんな選択をするのかが個人的に気になりますね。
完結していて話数もちょうどいいのでおすすめです。
人類滅亡後の文明の崩壊した世界。AIはクローン技術によって人類再生計画を実行に移す。生み出された人は素材を集め、それをAIが加工して生活に必要な物や新たな人の生産に使う。
そして、役に立たないと判断された人は殺処分されて素材としてリサイクルされる。
そんなディストピアな箱庭ゲームを楽しんでいた主人公がその記憶を持ったまま、ゲームそっくりの世界に生産される。……最低レア度の量産型として。
AIが生殺与奪の全権を握るディストピアで、真っ先にリサイクル対象になりそうなスペックの主人公は、AIから処分対象と判断されないようにすっごく頑張る。
個人的には参加者が殺し合うデスゲームは苦手ですが、仲間たちと知恵を出し合って協力し合いながら皆で生き残る道を模索するこういう話は大好きなのでつい応援したくなります。
一応、ジャンルとしてはゲーム内TS転生に一番近いのかな、と思いますが、サイバーパンクらしい世界観と心理描写、デスゲーム故の理不尽さとリサイクルへの恐怖はサバイバルホラーに通じるものがあり、一概にこういうジャンルと定義するのは難しい作品です。
ただ一つ言えることはとても面白い作品なのでSF好きなら是非とも読んでほしい。