3.転機は突然に

ある日、社長直々の呼び出しを食らった。とうとう解雇か。俺みたいな稼げない声優はお荷物だよな。などと、鬱々とした気持ちで会議室に向かった。


「突然、呼び出して悪かったね。実は、長屋くんに話があってね」


 まあ、とりあえず座りなさい。そう言われ、とりあえず着席した。やはり、契約解除に関する話かと思った。


「あの、俺、契約解除されるんですよね?所属してからの実績がほぼないわけですし……」


「私は、そのために君を呼んだわけじゃないよ。君は見どころがあるよ。だから、ほら――」


 そう言って、社長は一冊の冊子を俺に手渡した。


「僕の異能力アカデミー?」

 

 それは、大ヒット漫画のアニメオーディションの冊子だった。


「そうだ。君にはこの主人公たちのクラスの担任の先生のオーディションを受けてもらいたい。」


 このアニメの注目度を考えると、俺が受かる確率は低いだろう。だが、俺はこのオーディションを受けることを決めた。



 数週間後、都内某所のオーディション会場にて。

 

 俺は、会場の雰囲気に圧倒されていた。周りを見渡すと、今をときめく人気声優ばかり。この人たちに俺は、勝てるだろうか。いや、俺は勝ち抜かなければいけない。気合を入れ直し、俺は会場に入っていった。


「北野声優事務所の長屋千尋です。よろしくおねがいします。」


「よろしくおねがいします。では、はじめに………………」



 手応えは、あった。演技上の注意はなかったどころか、即興で渡されたセリフを読むよう言われた。今まで演じたことのない役どころだったが、はまり役だったようだ。


 俺の期待通り、オーディションに合格することができた。


 ――――――――

 僕アカのモデルは、お気づきの方も多いかもしれません。ヒ○アカです。問題があればタイトルを変えます。というか、良いタイトルがあればコメントをください。

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声優として成り上がりたい(仮題) 咲羽矢 @sakihaya

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