第6話 死とループ

俺はアパートを引き払う準備をし、荷物をまとめた。


明日、俺は水野あかりとポールコールマンを探す。



気づけば明日は俺の誕生日である。23歳になる年だった。ここでの生活はいろいろあったが、前世とは違った。


これが普通の生活なのかとも思った。



準備もまとめて、夜、一人でラジオを聞きながら本を読んだ。


この本は今まで何回か読んだ本だが、内容が面白く良く読み返した。


読み終わる頃には24時を回っていた。


俺は寝ようと思ったら、


ピンポン


とチャイムが鳴った。


俺はドアを開けるとそこに立っていたのは。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「時間です」



「蒼、あなたの名前は今日から蒼よ」その女性はおそらく俺の母親なのだろう。俺はあの時、あの時点でポールを救えなかった。そして神を殺した後になにを俺はしたのだろうか。



ただ、この体は自分の体ではなかった。生まれ変わったのかもしれない。



俺が少しずつ目が慣れてきてわかったことはそこが大きな病院の中で、俺を母親が抱いている状態だった。母親の隣には看護婦さんがいた。



「元気な赤ちゃんですね。無事で何よりです」


「はい、これから大変かもしれないですが、この子と二人で生きていきます」



そして、俺は田中 蒼として新しい人生が始まった。


「ここがあなたの家よ蒼」


俺と母親が退院して向かった先は静かな団地のアパートメントだった。どうやら母親は父親と離婚をし、シングルマザーをしているらしい。


「二人で頑張って生きていこうね」


そう言って、俺は母親と一緒にアパートに入った。中には最低限の物しかなかった。


母親の名前は緑というらしい。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・これはどうなっているんだ。


記憶があるが、俺はまた、転生したのか。いやこの記憶は前の記憶だ。



転生というよりもこれはループしたのか?


あの時23歳の誕生日に俺の家に来たのは誰だ。何があったあの時?思い出せない。


いったい何で?こうなっている?



「蒼君はすごいですね。なんでもできちゃうんですよ」小学生の担任の先生は俺のことをいつも褒めてくれた。




「いえいえ、この子にはお父さんがいないので。私がしっかりしなくちゃいけないのに。いつの間にか、蒼にいろいろ世話になっちゃって」




「そうなんですね。でもお母さん、ほんとに蒼君はうちの学級でも大助かりですよ。まるで、隣同士で喧嘩をしたりいじめがあったらいつも仲裁してくれますし。すごく大人びた子供です」


小学校に上がったが、この光景も前と同じだ。


「母さん、先変えるね」


俺は前と同じように先に帰らせてもらった。



様々な憶測を立てたが、わからないことが多すぎた。結果的にまた同じような生活を送っている。


そして、俺は前と同じように六道珍皇寺に着いた。地蔵を眺めながらそろそろこの時間帯に水野あかりが来るだろうと思っていた。



「あああーーーーーーーーーーーーーー蒼君だ!」



これも前と同じである。水野あかりが俺の前にきた。




「こんばんはあかりちゃん」俺はこの返事も前と同じようにした。



「蒼君、今日は蒼君会えなくて寂しかったよーーーーー」


そんな声をあげながら水野あかりは俺の体を強く抱きしめた。

俺は水野あかりの右の耳たぶにポールのイヤリングがないことを確認した。


そう、このときはまだ、イヤリングをしていなかった。ポールのイヤリングをつけているのを見た時があの水野あかりの母親が絶命したとき。あの時だった。


「あかりちゃん、よかったら今からあかりちゃんの家に行ってもいいかな?」



「ええーーー、いいの蒼君!」


「うん、たまにはあかりちゃんと遊びたいし」



「わあーーーやったーー!初めてだね!蒼君から誘ってくるなんて」


この時はまだ、母親も水野あかりの母親と険悪ではなかった。


何か水野あかりの家にカギがあるはずなんだ。



俺は電話で母親に水野あかりの家に行くと伝え、そして水野あかりの家に行った。



水野あかりの家に着くと、水野あかりの母親が出迎えてくれた。


「あら、久しぶりね蒼君」


そこにいる水野あかりの母親は前世の水野あかりの姿とはかけ離れていた。


「お母さん、ジュースとおやつ部屋にもってきて!」


そう言って水野あかりに連れられ、俺と水野あかりは部屋に入った。



水野あかりの部屋に入ったのは初めてだった。そこは小学生の少女の部屋をそのまま具現化したような部屋だった。



「さあ、座ってよ蒼君。何しようか?ゲームでもする?」























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アーサー・ブラッド・ベンジャミン zero @kaedezero

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