火の神が青年に求める贄は、煩悩。

火の神(アグニ)と煩悩塗れの青年(ジャラル)とのバディ感ある短編物語です。
この神の食物は、なんと煩悩。それはこの神自身が密教僧達の欲望から生まれた為か。
「神」とは名乗っておりますが、人の願いを偶像化し崇拝されるような存在ではなく、どちらかと言えば災厄の化身、贄を要求する様は悪魔的とも言えます。
さてこの神に煩悩を喰われる青年ジャラルは一瞬「真人間」に返るのですが、浜の真砂の如くに尽きぬ彼の欲は火の神アグニに贄を提供し続けることができるのです(⁉︎)
そんな青年ジャラルにも夢があり……しかしその夢は神の贄にはそぐわなかったようです。抑圧された集落の中で生まれた「欲」そして「夢」は火の神アグニとの関係でどこへ向かうのか。伝記的な世界観で描かれる読み応えあるブロマンス作品です♪